司教の任命権をめぐって、中国政府とバチカンにあるローマ法王庁は長年にわたって対立を続けてきたが、この対立は昨年の暫定合意によって終焉した。とはいえ、これは中国が任命した司教を法王庁が追認するもので、法王庁が中国側に全面的に譲歩した内容だった。
このことによって、合法・非合法併せて1億人ほどいるとされる中国国内のキリスト教徒を、ローマ法王庁の方に引き寄せやすくなると、法王庁は考えたようだ。
だが、中国政府はそんなに甘い存在ではない。この合意以降、法王庁が中国政府側を公認していることを理由として、中国政府はキリスト教会への圧力を更に強めている。特に非合法の地下教会に参加していた信者には極めて過酷な状況を生み出した。
全ての信者は中国共産党公認の団体に入るようにと言い、非公認のキリスト教コミュニティの取り締まりをエスカレートさせている。これを拒んだ司祭は逮捕されている。
公認団体への参加を決めた司祭には「カトリック教会を社会主義社会に適合するように導く」ための1週間の研修が用意されている。このセミナーでは信仰よりも国家を優先し、カトリックを中国化し、社会主義を促進するように指導される。そしてこれによって「独立し、自治性のある、民主的な教会」ができるのだそうだ。
「教化」を理由として、司祭が拉致される事態も起こっている。
また、中国政府による公認教会であっても、建物が適切な許可をとっていないとの理由から、中国政府は教会の取り壊しを行うことも行っている。
中国政府は、十字架や宗教画が多すぎて共産党の定める規定に合わないということを理由として、「7つの悲しみの聖母マリア」の聖地と「山の聖母マリア」の聖地を取り潰した。
こうした事態に、中国内のキリスト教徒は悲嘆に暮れている。
これの元ネタとなるBreitbartの記事https://www.breitbart.com/asia/2019/11/02/chinese-catholics-say-vatican-china-accord-fuels-christian-persecution/
トップ画像https://www.publicdomainpictures.net/pictures/210000/nahled/catholic-church-14838536919Kz.jpg
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