道理

国立アイヌ施設「ウポポイ」開業! こんな施設が必要か? (朝香 豊)


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北海道の白老町に、アイヌ文化の復興拠点施設の「ウポポイ」(国立アイヌ民族博物館)が7月12日に開業した。

これを北海道新聞は「ウポポイが待望の開業 予約客来場 アイヌ文化の発展目指す」と、極めて好意的に報道した。

4月にオープン予定だったのが、コロナ騒ぎで延期となり、ようやく開業にこぎつけたという思いなのかもしれない。

だが私としては、このことに違和感を感じている。

それは、アイヌ人が北海道の先住民族だという前提が、全くのデタラメだからだ。

残念がら、アイヌ人に関してはとんでもない思い違いをしている人が圧倒的な多数派を占める。

もともと北海道はアイヌの人たちが平和的に暮らしてきた場所であり、そこに和人がどんどん北上して侵略し、アイヌの人たちを不当に圧迫し、絶滅に近い状態に追いやっていったと考える人が多いのだ。

こうした歴史が事実であるなら、私たちがアイヌの人たちの悲劇に心を痛め、失われかけたその文化の継承を力強く支援することには納得性もあるだろう。

そういう立場からすれば、「ウポポイ」の開業は「待望」されたものだったと言われても、違和感は少ないだろう。

では実際にはどうだったのか。

北海道の文化史を見ていくと、本州と同じように、縄文時代があったことがわかる。

つまり、縄文時代にすでに和人は北海道に住んでおり、和人の文化が北海道を支配していたのである。

佐渡島産と見られる碧玉製の管玉は、日本各地から数多く出土しているが、北海道でも非常に広い地域から発見されている。

これは同一の文化圏が北海道まですでに達していたことを反映する一例だ。

北海道の文化は「縄文文化」→「続縄文文化」→「擦文文化」へとつながっていく。

「擦文」とは「刷毛(ハケ)の文様」のことであり、縄目で模様を付けていたのを、新しく生まれた道具である刷毛で模様を付けるようになったのが「擦文文化」である。

そしてこの「縄文文化」→「続縄文文化」→「擦文文化」というトレンドは、北海道だけで見られたものではなく、東北北部においても同様の文化の変遷があった。

ところが鎌倉時代の途中から突如として、これまでの文化との連続性のないアイヌ文化が北海道に出現したのである。

北海道東北部沿岸から始まり、やがて北海道全域に広がっていった。

アイヌ文様も、独特の刺青の習慣も、トリカブト毒を使った毒矢による狩猟も、それまでの北海道にも本州にも見られない独特の文化であった。

縄文文化から擦文文化までは、深い穴を掘ってそこに柱を建てる「竪穴式住居」が続いていた。

だが、アイヌ文化では浅い穴しか掘らずにそこに柱を建てる「掘立柱建物」に切り替わっている。

そもそもアイヌ語は、東シベリアの一部民族やアメリカ先住民の言語との共通点が大きいが、日本語との共通点はほとんどない。

例えば、日本語では「50」を「5つの10」のように表現しているのは自覚できると思うが、アイヌ語では「あと10増えると3つの20になる」のように表現する。

つまりアイヌ語では20進法を採用している上に、ローマ数字的なわかりにくさがあるわけだ。

ここからわかるのは、アイヌ語は和人の使う言葉とは全く連続性のない言語だということだ。

つまり、鎌倉時代に北海道に侵入してきた異民族がアイヌ人なのであり、北海道の先住民族ではなかったのだ。

「元史」によると、元に服属したギレミ族(アムール川河口から樺太にかけて居住)のもとに「クイ」が侵入してくるのを何とかしてほしいという訴えがあったことが記されている。

ここに記されている「クイ」がアイヌ人のことであると考えられている。

元の圧迫を逃れて、樺太を南下して北海道に移ってきたのがアイヌ人なのだ。

そして狩猟民族であるアイヌ人がその武器によって農耕民族である和人を徐々に追いやっていき、北海道全域を居住地域に変えていったのである。

江戸時代に北海道開拓を徐々に進める中で、和人がアイヌ人をどんどんと追い詰めていったというのも、誤解だろう。

確かに鉄砲を持つようになった和人は、かつてのようにアイヌに対して一方的にやられる存在ではなくなったが、だからといって和人がアイヌ人を鉄砲でどんどんと追いやるような真似はしなかった。

それどころか、例えば、江戸時代に天然痘が流行り、北海道にも広がったことがあったが、江戸幕府はアイヌ人に対しても北海道全域で種痘を行っているのである。

和人に対するアイヌ人の武装蜂起とされるシャクシャインの戦いも、もともとはアイヌ人同士の抗争が発端であり、この抗争に関連して松前藩に関わる誤解が勝手に広がったため、シャクシャインが和人に対して戦いを挑んできたものだ。(詳細は割愛する。)

そして和人との混血が進んだ結果、今やアイヌ人は自然に消滅したのである。

和人が滅ばしたわけではないのだ。

こうした現実と照らした場合に、「ウポポイ」を開業する意味はどこにあるのか。

自然と消滅した民族との「共生」とは何なのだろうか。

「アイヌ民族の誇りが尊重される社会をめざす」とし、「アイヌ文化を未来につなげていく」ことがどれほどの必要性があるのか。

展示は、アイヌ民族の視点で「私たち」という切り口で語る構成になっているわけだが、現在この「私たち」を名乗ろうとする人たちは、どのような人たちなのだろうか。

今や消滅した民族に「実在性」を与えて、日本民族の統一感に分裂を持ち込むことを意図的に行っているのではないか。

それは果たして日本人として考えた時に正しいことなのか。

この機会にそのことを改めて問いたい。
 
 

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ネタ元の「ウポポイ」(国立アイヌ民族博物館)のページ
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ネタ元の北海道新聞の記事
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/439799
画像も同記事から
https://static.hokkaido-np.co.jp/image/article/650×366/439/aec2f4c6461e55dcf5f54c0b4700b446.jpg

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