疑惑に揺れる韓国のチョ・グク法相が突然辞任した。
国民の反発を受けて辞任に追い込まれたという側面はもちろんあるが、単純にそれだけで捉えるのは違っているのではないかと、個人的には思っている。
韓国の世論調査会社の「リアルメーター」が最近発表した政党支持率では、与党の「共に民主党」が35.3%、保守系最大野党の「自由韓国党」が34.4%と、ほぼ拮抗しているというものだった。「自由韓国党」の支持率は文在寅政権発足後最大の値である。
「リアルメーター」の発表は、政権側に極めて寄ったものとなっている疑惑があり、恐らくは実際の数字では大きく逆転しているのではないかと思われる。
こういうところに文在寅政権側が危機感を覚えたというところは、当然ながらあるだろう。
だが、チョ・グク法相は、辞意を表明する前の段階で検察特捜部の縮小を骨子とする検察改革案をすでに示し、これは明日の閣議で決定となる見込みだ。
つまり、「検察改革」の道筋をすでに付けているわけだ。
チョ・グク法相が辞任を発表して、その話題が盛り上がれば、「検察改革」の話題が隠れてくれることになる。
これを狙ったと考えるべきではないだろうか。
そして実際に、チョ・グク法相が示したはずの「検察改革」の中身は、韓国メディアを確認しても、全く具体的内容がわからない状態になっている。
大統領府も当惑していると報道されているが、ここまでの計算高さからして、予定された行動だった可能性が高いと、わたしは思う。
そしてこの「検察改革」によって、チョ・グク氏の起訴が非常にやりにくいものになっている可能性もある。
辞任という表面的な出来事の裏で、どんな腹黒い動きが動いているのか、我々はそちらに目を向けるのを怠ってはならないと思う。
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