アメリカの下院がウイグル人権法案を可決したことに対して中国が猛反発し、アメリカが先住民を組織的に迫害した歴史を持ち出してきた。
中国外務省の華春瑩報道官は、中国のウイグル人政策は「人権、民族、宗教に対するものではなく、暴力、テロ、分離主義的な動きと戦うためのもの」だとし、法案を通した米議会を「無知」で「恥知らず」だと非難した。
その上で華報道官は「2世紀にわたるアメリカの歴史は、先住のインディアンの血と涙で汚されている。彼らのほうが先にこの大陸に住んでいたのに、19世紀以降アメリカは西漸運動を通じて、武力に物を言わせて先住のインディアンを排除し、虐殺して、広大な土地を占領し、膨大な自然資源を収奪してきた」、「そればかりか、アメリカは先住民に同化政策を押し付け、彼らを殺し、排除し、追放して、市民権を認めなかった」、「(先住民の)居留地のインフラは未整備で、水も電力も不足し、インターネットへのアクセスもできず、失業、貧困、感染症、低い生活水準など、先住民は数々の困難に直面している。こうした衝撃的な事実を前にして、アメリカの政治家は知らん顔ができるのか。彼らの良心はどこへ行った」とし、アメリカについて「偽善的」だとした。
こうした反論は中国側の「メンツ」に基づいたものだろうが、こうした言い分で自らを正当化しようとする中国の試みに対して、一般のアメリカ国民の反発は必至だ。
このあたりの計算ができていない中国側の対応によって、アメリカ側の反発はさらに強まることが予想される。
なお、この記事はニューズウィーク日本語版に基づいて書いているが、ニューズウィークでは現在「香港のこれから」と題した香港特集の記事が、連日アップされている。すでに10日連続である。
ウイグルに関する記事も最近は非常に増えている。
リベラル系のニューズウィークですらここまで反中的なキャンペーンを行っていることに、アメリカのマスコミの変化が如実に感じられる。
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