ウイグルでの人権状況の急激な悪化を受けて、世界中で中国のジェノサイド(民族虐殺)認定の動きが徐々に広がっている。アメリカではトランプ政権のポンペオ国務長官が真っ先にジェノサイド認定をしたのに続き、バイデン政権でもブリンケン国務長官も前政権の認定を認める発言を行った。カナダ議会は賛成266、反対ゼロで、ウイグルでジェノサイドが行われていると認定する動議を可決した。オランダ議会も同様の動議を可決した。イギリスのラーブ外相は国連人権理事会で、ウイグルにおける人権侵害は「産業的な規模」だと述べている。
これに伴い、来年北京で開催予定となっている冬季オリンピックの開催地変更要求が高まっている。ジェノサイドを行っている国でオリンピックを開催するのはオリンピックの趣旨からしても認められないというのは、筋が通っている。
アメリカでも共和党を中心に、国際オリンピック委員会(IOC)に2022年の冬季オリンピックの開催地を選び直すよう求める動きが強まっている。変更せずに北京で行うというのであれば、ボイコットすべきだという意見も広がっている。ただしバイデン大統領はこの動きに今のところは同調しておらず、各界からの圧力が強まっている状況だ。
中国での人権状況は習近平が権力基盤を固める中でどんどんと悪化している。それは決してウイグルだけの話ではなく、チベットや南モンゴルでも、さらに香港でも強まっている。
香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴された50人を超す香港の民主活動家らのうち黄之鋒氏、黎智英氏、戴耀廷氏の3人を、中国政府が厳罰に処す方針であることが判明した。香港政策の責任者でもある夏宝竜・香港マカオ事務弁公室主任は「愛国者のみによる香港統治」の必要性を強調し、この3人を名指しして「反中分子の中の極悪人で法により厳罰を与えなければならない」と述べた。ちなみに国安法違反の最高刑は終身刑であり、これを念頭に置いたものだと思われる。夏氏は「共産党に反対する勢力はすべて『愛国者』ではない」との立場を鮮明にし、香港政策については「中央政府主導による選挙制度の見直し」を最優先課題に挙げている。この方針は3月5日から始まる全国人民代表大会(全人代)で決定されることになるのはほぼ確実だ。こうなれば、香港は完全に中国本土化されると考えてよいだろう。
こうした状況を前に、アジアの自由主義のリーダーであるべき日本の態度が今なお曖昧なのは許されることではない。東京オリンピックの実現のために中国政府の後ろ盾がほしいと思っているのだろうか。それとも中国進出企業が中国政府による不当ないじめの対象となるのを恐れているのだろうか。
先月茂木外相は香港、ウイグルでの人権状況を「深刻に懸念している」と表明し、これらの地域で基本的人権や法の支配といった普遍的価値が保障されるよう「中国に対し、建設的で具体的な行動を強く求める」と訴えた。中国政府がこの日本政府が求める方向と真逆の姿勢を鮮明にしてきた中で、沈黙は許されない。
いきなりオリンピックについて触れるのが難しいというのであれば、手始めとして、中国がこのままの姿勢を続けるのであれば、日本政府は中国・香港進出企業に対して撤収を呼びかけざるをえないと発言してもよいだろう。自由主義の基本的理念を共有せず、これを圧迫する政策を海外にまで押し広げている国を、これ以上のさばらせてはいけない。
国民が日本政府に対して大いに不満を持っているのは、日本が道義国家として世界をリードする立場にあってほしいと願っているのに、これを裏切ることにある。日本政府は中国進出企業にダメージがあることを懸念しているのだろうが、早く撤退させたほうが傷口は小さいという現実に気づいてもらいたいものだ。
この現実については「それでも習近平が中国経済を崩壊させる」(3月12日発売開始)にも書かれているので、ぜひお読みいただきたい。
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