中国共産党の習近平総書記は、2020年末までに中国全土での「脱貧困」により「小康社会」(ややゆとりのある社会)を全面的に実現したとして、大々的な宣伝を行っている。
こうした中で、中国の農村部の22歳の若者が、貧しさのために入院費用が払えないために入院を拒絶し、死亡してしまった事件が話題になっている。
この若者は「墨茶Official」というユーザー名で、中国の動画共有サイト「哔哩哔哩」(ビリビリ)に自作の動画をアップしていた。
「墨茶Official」の投稿仲間の「御坂伊里奇」が1月19日に、ネット上で「『墨茶Official』が今月初めに貧困で病死しました」との情報をアップしたことから、彼の悲惨な状況がネットを通じて知られるようになった。
「墨茶Official」は地元を離れて荷役工の職に就いていたが、毎月の収入が800元(約1万3000円)で、家賃を除くと生活費は300元(約4800円)しかなかった。それなのに雇用主が2018年4月から給与の支払いを怠るようになり、直談判したが支払ってもらえず、友人にお金を借りて地元に戻ったという。
「墨茶Official」は地元で生活を支える足しにするために、動画投稿で人気が出ないかと考えて取り組んでいた。機材などは友人たちが寄付した中古品だった。
「墨茶Official」は数ヶ月前から体の不調を感じていて、病院で診察を受けた際に入院を勧められたが、治療費が払えないとして断っていた。
昨年末に「墨茶Official」は「とってもイチゴが食べたい。でもイチゴが高すぎる」と投稿していた。
「墨茶Official」の悲惨な死がネット上で広がると、政府系メディア「川観新聞」は「墨茶Official」は貧困で亡くなったのではないとし、「性格が偏屈で」「両親との関係が悪く」「食いしん坊の怠け者だ」と批判した。
それはともかくとして、「脱貧困」により「小康社会」を実現したとする習近平に対するあてつけのように、この話題が中国社会の中で広がっている。
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www.epochtimes.jpの記事
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墨茶Officialの画像
https://i.ytimg.com/vi/jIy_BFGwrX4/maxresdefault.jpg
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