日本共産党が「2021総選挙政策」の中で「安保・基地・自衛隊」に関する共産党の政策を説明している。共産党を理解するにはこの「2021総選挙政策」は非常に役に立つ。
この「安保・基地・自衛隊」の項目の中で、共産党は「安保法制」を「戦争法」(戦争する国づくりのための法律)であり、「ひとたびアメリカが戦争をおこせば、世界中で、切れ目なく自衛隊が参戦する道を開くもの」だと位置付けている。
これはアメリカがアフリカだろうが南米だろうが戦争を起こせば、自衛隊は必ず参加するかのような表現だが、明らかにおかしいだろう。
自衛権の発動要件として、1)わが国に対する急迫不正の侵害があること、2)この場合にこれを排除するためにほかの適当な手段がないこと、3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこととされており、この要件を満たさないと自衛権は発動できないことになっている。アメリカが世界のどこで戦争を起こすかはわからないが、自衛権の発動要件を満たす事態は当然極めて限定されることになる。
共産党は「「台湾海峡」有事が発生すれば、安保法制が規定する「存立危機事態」(日本による集団的自衛権の行使が可能)に該当するとの発言が出るなど、その危険性は明らか」と言うのだが、台湾海峡有事は存立危機事態であるのは言うまでもないだろう。台湾海峡を中国の考え一つで意のままに封鎖できるような状態になれば、日本とアジア諸国との安定した通商が成立しなくなる。石油や天然ガスの安定した調達も難しくなる。それはそのまま我が国の首を絞めることになる。だから、中国が武力を用いてでも台湾を併合しようとしている野望を打ち砕くことは、日本の存立にとって極めて重大なことではないのか。
共産党は自衛隊が米軍の艦艇や航空機などを守る米軍防護が昨年25回に達していることをとりわけ危険視しているが、そういうことをせざるをえないほど台湾や尖閣をめぐる情勢が緊迫していることをどうして指摘しないのであろうか。
共産党の主張は、中国共産党の対外膨張主義的な動きを完全に無視した議論になっている。そしてこの動きに備えるために日米連携が強化されていることを「戦争する国づくり」だと非難しているのである。
さて、共産党は立憲民主党を閣外から応援するとし、自衛隊を違憲だとする立場を取らないとしているが、中国が台湾有事を起こす気にならないように日米が連携を強めることには反対するつもりなのだろう。
日本共産党の意図がどこにあるにせよ、そのことは結果として中国共産党を大いに利することになる。そのことをどのように考えているのか、日本共産党にはきっちりと説明していただきたいものである。さらにはどうやったら台湾有事を発生させないようにできるのかの具体的で説得的な提案を行うべきではないのか。「話し合いで解決すべき」なんて、小学生でも言えるだろう。
そうした説明・提案ができないのであれば、日本国の存立危機に対してあまりに無責任だと言わざるをえない。
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