安全保障

おかしな方向にどんどん動いていくアメリカ! 警察解体も!(朝香 豊)


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“Black Lives Matter”(BLM 黒人の命は大切だ)と主張する運動は、笑えないレベルの話になっている。

動画ストリーミングサービス企業のHBO MAXが、南北戦争時を扱った映画「風と共に去りぬ」を配信ライブラリーから削除するした。

HBO MAXによれば、人種的偏見が描かれているこの映画について、該当する描写への説明や非難を加えずに視聴可能な作品としておくのは、企業責任のあり方からして無責任だと考えているとのことだ。

うがり過ぎかもしれないが、ネットフリックスとかユーネクストとかなどに比べると存在がマイナーなHBO MAXが、売名行為のためにこういう宣伝をやったのではないかとも思うが、それはともかく、これは随分と視聴者をバカにした話だ。

奴隷制の残っていた南部の有様をそのまま描写すると、現代に生きている我々がそれに感化されて奴隷制度を肯定するようになるとでも考えているのだろうか。

こうした立場に立つならば、歴史的な物語を作品として提供するのは全てけしからん話だということになるだろう。

「弱者」の立場を無条件に支持する「リベラル」派の論理矛盾が集約している話だ。

こうしたおかしな表れは、様々な分野に広がっている。

セントポール市では、ミネソタ州議会の議事堂にあるコロンブス像が、適正な手続きなどない中で、活動家たちによって引き倒された。

ネイティブアメリカンに対する白人の虐殺のシンボルがコロンブスだという理屈だ。

今回のジョージ・フロイド氏の不幸な事件があったミネアポリス市では、まじめに市警察を解体する方向で動いている。

ミネアポリス市議会の全市議13人のうち9人が警察解体に賛成の意思を示している。

現行の警察を解体して「革新的な新しい公衆安全モデル」に切り替えるとしているが、具体像はよくわからない。

ミネアポリス市長は警察解体には反対の意向を示しているが、市長の拒否権を覆せるだけの賛成が議会を占めている以上、本当に警察解体が行われる可能性は現実のものとなっている。

CNNに登場したミネアポリス市議会議長のリサ・ベンダー氏は、CNNのキャスターが「夜中に私の家に強盗が押し入ったら、どこに連絡すればいいのか」との質問に対して、驚くべき回答を行っている。

「そういう声が来るのは、特権的な立場の人からです」というのである。

警察がなくて困るのは特権階級の人たちで、そうした人たちの財産権が侵害されることは大した社会問題ではないということだろうか。

おかしな動きがあるのはミネアポリス市だけではない。

ロサンゼルス市のエリック・ガルセッティ市長も、警察の予算を止めて教育や医療に回せとの要求に応えて、ロサンゼルス市警の予算を削ると表明した。

ニューヨーク州でも、警察改革法案が議会を通過し、クオモ知事はこれに署名をして、今回問題になった窒息させるような拘束手法を禁止するなどした。

現場の警察からはこれでは犯罪抑止が難しくなるという反対意見が多く上がっているが、こうした反対意見は無視された形だ。

こうした非合理な動きが、ダラス、フィラデルフィア、ナッシュビルなどでも広がっている。

ジョージ・フロイド氏の不幸な死に対する抗議は、全く見当違いの暴力的な方向で無秩序化していっている。

警察権力を弱体化させ、暴力的な主張が幅を利かす社会に作り変えられようとしている。

「リベラル」派の本性が浮き彫りになってきた。

この危険性にアメリカ国民が心の底から気づくことを願ってやまない。

  
  
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