安全保障

インドで爆発するコロナ感染! 冷淡で信頼を失ったバイデン政権!(朝香 豊)


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新型コロナウイルスがインドで猛威を奮っている。4月30日の感染者数はついに40万人を突破したことが、5月1日に報じられた。インドでは9月16日に1日の感染者数として97894人を一旦記録した後、その後はずっと減少傾向を示し、2月15日には9121人にまで下がっていた。そこから2ヶ月半で急激な増加に転じて、40倍以上に増えたことになる。

40万人という数字だけでもかなりショッキングではあるが、実際の感染者数はこれより遥かに多いと思われる。というのは4月4日に香港に到着したビスタラ航空6395便では、乗客153人(幼児7人を含む)のうち52名が到着時検査で陽性者と判定されているからだ。つまり、乗客のうち1/3以上が陽性者だったということになる。

ちなみに4月4日のインドの感染者数は103558人だったので、この時と比べても5月1日はほぼ4倍に達していることになる。

一口にインドと言っても広いので、地域差も大きいのだろうが、ビスタラ航空の出発地であったニューデリー周辺では、4月4日時点でも1/3程度の感染者(というか、検査をすれば陽性者とされる人)がいたことが疑われる。(十分な換気が行われている機内では感染が発生していないことが前提だが)

ところで、インドのセラム・インスティテュート・オブ・インディア(SII)は世界最大のワクチンメーカーで、国連のCOVAX(ワクチンを共同購入して、途上国などに分配する国際的枠組み)にも参加している。だが、こんな国内状況が発生して、国内のワクチン需要が急拡大し、COVAX用の供給などまるでできない状態に陥った。

ここでやっかいなのは、バイデン政権がアメリカ国外へのワクチン生産に必要な物資の輸出を禁じていることだった。そこでSIIはバイデン政権に対して、この処置を特例的に緩めてインドに必要物資を送ってくれるよう求めた。だが、トランプ前政権の「アメリカ・ファースト」戦略に反対していたはずのバイデン大統領なのに、なんと「アメリカ・ファースト」を理由としてこの申し出に応えないという処置に出たのだ。SIIが要請したのは3月半ばと思われるが、1ヶ月経ってもバイデン側から返事がないため、SIIのプーナワラCEOはツイッターで米大統領をタグ付けして再度お願いしてみせた。これにより、1ヶ月にわたってインド側の切迫した要請を、バイデン政権が無視していたことが明るみに出たのである。

逆説的だが、もし現在もトランプ政権が継続していたならば、「アメリカ・ファースト」戦略の見地から逆にインドへの輸出制限をすぐに一旦緩和しただろう。現在アメリカの最大の敵は中国であり、中国包囲網のかなめの1つがインドであるのは疑いない。しかもインドはもともとアメリカをあまり信用していない。この中で仁義にもとる行為が行われれば、クワッド体制に強烈な打撃が加わる。それはなんとしても避けるということが「アメリカ・ファースト」になると、トランプなら考えただろうと思うからだ。少なくとも同盟国である日本などとこの問題についてすぐさま相談していたことだろう。そもそも先日日米首脳会談が開かれたことからもわかるように、日本とアメリカの外交筋はこの1ヶ月にわたって激しく情報交換を行っていたのであり、この際にこのインドの件をアメリカが日本に伝えなかったとすれば、これはクワッド体制の信頼関係をぶち壊す策だと言えるだろう。

それはともかくとして、この状況に間髪入れずに介入してきたのが中国である。「アメリカはインドの友人ではない」とし、「アメリカになびいたインドの過ちを許してやろう」という上から目線から、米国に代わって様々な医療物資をインドにすぐさま供給してみせた。

プーナワラCEOのツイッターで事情を知った米軍関係者らは激怒し、バイデン政権への激しい突き上げが行われたのであろう。4月28日になってようやくホワイトハウスはインド支援のために1億ドル超相当の関連物資を提供すると発表したが、本来のタイミングを失ったことの影響は大きい。

さて、バイデン政権の行動は、医療物資に関する「アメリカ・ファースト」政策に単に固執したものだったのか、それともこれによってクワッド体制にヒビを入れることで、中国を利するように動いたものだったのか。

私の見立ては陰謀論のように見られがちだが、すでに数々の論評で繰り返し述べているように、バイデン政権は中国を利するように動いているのではないかというものだ。それがこの1件でも証明されたのではないかと思う。

バイデン政権の対中政策には警戒心を強く持ち続けるべきである。

なお私のバイデン政権への見立てについては、大紀元時報に掲載された「環境問題を媒介とする、習近平とバイデンの関係」とか、デイリーWiLLオンラインに掲載された「喜べない日米首脳会談~不安を呼ぶバイデン大統領の「非礼」」とか、本ブログに掲載された「香港もウイグルも問題視しない! バイデン大統領が明言!」などを参考にしてもらいたい。
 
 
 
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