中国

中国体制内部でも、習近平おろしが顕在化! 4月で失脚か?(朝香 豊)


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中国体制内部でも、反習近平派の動きが活発になってきた。

まず注目したいのは、任志強氏の動きだ。

任志強氏は親が革命期の幹部で、生まれながら共産党の幹部の家に育った、いわゆる「紅二代」で、華東集団という不動産事業で財を成した企業家でもある。

北京市政治協商委員(北京市議)なども務め、政治家としての顔も持っている。

習近平体制のもとで「腐敗撲滅」で力を発揮した王岐山副主席と親密な中にあり、今までも割と「放言」を繰り返してきた人だ。

国営テレビの中国中央電視台(CCTV)を習近平総書記が訪れたときに、CCTV側が「央視姓党 絶対忠誠 清您検閲」(CCTVの姓は中国共産党で、共産党には絶対的な忠誠を尽くします。どうか検閲してください)とのパネルを掲げて対応したことを任志強氏は批判して、「納税者が治めた税金を納税者に対するサービス提供以外に使うな」、「人民政府はいつの間に、党政府に変わったのだ? 人民政府が使うカネは党費なのか?」、「メディアが人民の利益を代表しなくなる時、人民は隅に捨てられ、忘れ去られる」などと激しく批判したこともある。

さて、この任志強氏の署名入りの投稿が、3月のはじめにネット上に上げられて、急速に拡散した。

その投稿で彼は、中国共産党指導部と当局が新型コロナ肺炎の感染拡大を隠蔽し、政府系メディアがニセ情報を流しただけでなく、当局を称賛するプロパガンダを展開し、さらには感染を警告する告発者の言論の弾圧までしたと、手厳しく非難した。

習近平総書記の名指しは避けたものの、「皇帝になりたがる道化師」という表現を用いた上で、「党は党の利益を守り、役人は役人の利益を守っているが、君(習近平総書記)は、(党の)核心としての地位と利益を守ろうとしているに過ぎない」と、手厳しく習近平総書記の批判までしているのだ。

この任志強氏が3月12日に音信不通となったが、その後に習近平総書記が任志強氏について「必ず厳罰するよう」にと、北京市規律検査委員会に命じていたことがわかっており、恐らくは同委員会が拘束しているのだろうと考えられている。

反習近平派の動きはこれだけに限らない。

3月21日から、中国のSNS上には「政治局の緊急拡大会議の即時開催に関する建議」との題の記事が、次々と転載された。

この記事は、政治局の会議を拡大して、習近平氏を引き続き中国共産党の総書記として適任かについて議論することを求めている。

この記事を転載した中には、香港の衛星テレビ放送「陽光衛視(Sun TV)」の陳平会長もいる。

陳平氏も「紅二代」の一人であり、王岐山副主席や任志強氏とも長年の知り合いである。

さらに、崔天凱在米中国大使が、CBSニュースの番組に出演した際に、以下のような発言をしている。

「新型コロナウイルスは、中国ではないどこかの軍事系の研究所から漏れ出たもので、それはアメリカかもしれないと言っている人もいる。こうした狂った話をどうやって信じることができるのか?」

この発言自体は2月9日のものだが、3月23日に別の取材でこの発言について問われた際にも、崔大使はスタンスを変えず、「ウイルスがどこから来たのかをのを見つけるのは、科学者の仕事であって、外交官やジャーナリストの仕事ではない」と答え、中国外交部の報道官がアメリカ起源説を述べていることを、暗に批判しているのだ。

崔大使は、習近平体制のプロパガンダ戦での方針となる「ウイルス米軍起源説」に背を向ける姿勢を示したとも言えるだろう。

このように、中国共産党の中枢に近いところからも、習近平総書記を批判する動きがいろいろと具体化してきた。

4月失脚が実現しそうな流れになってきた。

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