国民民主党の玉木雄一郎代表が連合との政策協定で排除すべき対象とされた「全体主義」とは「共産党のことだ」と名指ししたことについて、共産党の田村智子政策委員長は「事実と違う発言だ」と強く否定した。
田村氏に真っ先に尋ねたいのは、日本共産党はマルクス・レーニン主義の党であることを否定したことがあるのかという点だ。今や「マルクス・レーニン主義」という言葉は「科学的社会主義」という言葉に置き換えられているが、内容は同じである。マルクスは共産党を革命を正しく導く前衛党(指導政党)とし、この前衛党に導かれた「プロレタリア独裁」がなければ社会主義革命は打ち立てられないと考えた。「プロレタリア独裁」とは社会主義に至る移行期間においては、社会主義に対する「敵」からその自由を奪い、排除するというものだ。「プロレタリア独裁」は日本共産党によって「労働者階級の権力」とか「社会主義をめざす権力」といった言葉に変えられたが、「プロレタリア独裁」という考えを日本共産党は捨ててはいない。
そしてこの立場から、「社会民主主義」と呼ばれる漸進的な立場を徹底的に批判してきた。「社会民主主義」とは、働く立場の要求を経営層にぶつけ、経営層との話し合いで労働者の条件を改善していくといったものである。個別企業の職場の状況改善だけでなく、労働時間規制、社会保険の充実、累進課税の強化などの社会制度変革も目指すものでもあるが、それではいつまでたっても資本主義体制をひっくり返せないではないかというのが共産党の言い分であり、それゆえその立場は労働者階級の本質的な利益とは敵対するとの考えであった。
不破哲三氏は著書『人民的議会主義』の中で「社会主義日本では、労働者階級の権力、すなわち、プロレタリアート独裁が樹立されなければならない」と書いているが、この立場を間違っていたとして共産党が路線変更したという話は聞いたことがない。そして不破氏は今なお日本共産党に大きな影響力を行使しているのはよく知られた話だ。
レーニンも「プロレタリアート独裁」について「共産主義革命に反対する階級敵や反動勢力による反抗や反革命は、法律によって制限されず、暴力に立脚して打倒する、労働者階級の権力」だと、「国家と革命」の中で規定している。
もし共産党が「全体主義」ではないというのであるなら、「プロレタリア独裁」を放棄して、社会民主主義政党へと鞍替えしなければならない。そして社会民主主義政党に対して行ってきた数々の非難を自己批判しなければならない。そしてそのことは「マルクス・レーニン主義」を放棄することを意味し、「共産党」という名称を捨て去ることを選択することにもつながる話になってくる。
ここまでの動きを行ってからでないと、「全体主義」との批判を「事実と違う」と否定することはできない。
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