2020年の中国での結婚は813万組であった。中国の結婚件数は2013年の1327万組から減少に転じ、2018年は1011万組、2019年は926万人、2020年は813万組と、このところは年に100万組程度の急減が生じている。
これに対して2020年の離婚件数は373万組で、離婚件数の結婚件数に対する比率(373万組/813万組 離婚・結婚比)は45.9%にも達する状態となっている。
中国政府は離婚件数の抑制のために、離婚の届出を提出してから成立するまで、30日の「冷却期間」を設けるという新制度が、今年(2021年)の1月1日から始まった。この「冷却期間」中に、夫婦の一方が最終的に離婚に同意しなかった場合、離婚届は取り消されるというものだ。「冷却期間」の30日が過ぎてから「審査」にさらに30日を必要とし、その後に初めて離婚が成立するという制度である。ちなみに離婚届の提出をするのにも、いきなり役所に行くのは許されず、事前にネットで予約を入れなければならない。上海市のいくつかの区では、仲直りを勧めるカウンセリングまでもが用意されているという。
こうした制度は離婚を抑制する趣旨なのだろうが、逆に結婚を抑制する流れにもつながっているようだ。一度結婚すると簡単に離婚できないとなれば、結婚そのものを慎重にしようという流れになっているのである。
未婚女性に対して「結婚したくない理由」をアンケート調査したところ、「結婚が絶対に必要とは思わない」との回答が64.1%を占め、結婚観が大きく変容したことも伺われるが、43.5%が「結婚による生活水準の低下を心配するから」と答えていて、経済的理由が無視できないほど大きくなっていることもわかる。
未婚男性に対して同様のアンケート調査を行うと、53.6%が「結婚するための経済的条件が整わないため」との回答を行った。
31ある一般行政区別に見ると、「離婚・結婚比」が高いのは、上から吉林省(71.5%)、黒龍江省(67.2%)、遼寧省(65.8%)という、いわゆる「東北三省」(旧満州)が占めた。「東北三省」は経済的衰退が著しく、これが「離婚・結婚比」に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
北村豊氏によると、「七夕夫婦」という言葉もあるそうだ。夫婦がそれぞれ出稼ぎに向かうが、出稼ぎ場所が異なると普段は全く会えない生活になる。牽牛と織女のように、年に1回会えるかどうかのような状態になり、結婚が無意味となり、離婚に至るというのである。
夫婦の出稼ぎ場所が異なるケースがどれほどあるのかは私にはわからないが、いずれにせよ、経済的に厳しい状況が結婚件数を激減させ、それが「離婚・結婚比」の高さにつながっているのは間違いなく、それが東北三省に特に強く出ているのだろう。
不動産価格の高騰は、住宅の購入を難しくさせているだけでなく、工場や店舗の賃料も高くし、それは商品の販売価格にも転嫁されることになる。
閉店に追い込まれている店舗も多い。企業データアナリストの崔凡氏によると、昨年(2020年)の1月から11月にかけて、カフェの8割以上、フィットネスクラブの半数が消え、個人店舗の廃業は100万店にも及んだという。
中国経済が力強い回復をしているというのが本当かどうか、こうした現実から考えてもらいたいと思う。
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