安全保障

正しい国防を打ち出せるのは高市氏だけ! 河野、岸田、野田の3氏はピンボケ!(朝香 豊)


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フジテレビ系列の「日曜報道」に、自民党総裁選挙に出馬している4候補が登場し、議論を戦わせた。

この中で米軍が東アジアに配備しようとしている中距離ミサイルについて問われ、高市早苗氏だけがこれに賛同する姿勢を示した。

この高市氏の見解に対して河野太郎氏は「アメリカだけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いたからといって日本の抑止力が高まる訳ではない」「中国に対してどういう抑止力を想定していくのか、慎重にしっかりとした議論をした上で、日米同盟で何をやる、日本で何をやるという役割分担をきっちり決めないと議論にならない」「日本がやらなければならないのはこのミサイルだけではない」「勇ましい掛け声をかければいいというものではなく、それでは「ヤレ!ヤレ!」という人だけが喜ぶ議論だ」「敵基地ナントカ能力は却って不安定化させる要因になる」などとして、反対する見解を示した。

河野氏の議論には様々な問題がある。

まず第一に、日本国内の米軍基地にミサイルが置かれる場合には、当然それをどう運用するかは日米協議の対象になるに決まっている。米軍基地内の配備を認めたからといって、米軍が日本の意向を無視してなんでもかんでもやれるかのような言い方は日米同盟体制を無視したものでしかない。今問われているのは、基本スタンスとして、中距離ミサイルの日本配備を歓迎するのかしないのかであり、歓迎した上で日本側の要望に合わせさせるというのが進むべき道であろう。

第二に、「アメリカだけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いたからといって日本の抑止力が高まる訳ではない」と河野氏は述べているが、そんなわけはないだろう。アメリカだけが引き金に指をかけているということは現実的にありえないが、仮にそうだったとしても抑止力が高まるのは間違いない。

現在中国はアメリカを遥かに圧倒する中距離ミサイルを保有している。そしてこのことが極東における軍事バランスを大きく崩している。米軍が東アジアに中距離ミサイルを大量に配備し、このバランスを回復するのは絶対的に必要である。むしろ待ったなしなのだ。

中国が米軍に対して攻撃を仕掛けた際に、米軍から中距離ミサイルを使った反撃が可能であるとすれば、中国は容易には米軍への手出しができないことになる。それは在日米軍基地への攻撃を抑止することにもつながる。

第三に、河野氏は敵基地攻撃能力の保有は却って地域の安定を損ねるかのような議論をしているが、これもおかしな話だ。河野氏の議論が仮に成り立つとしたら、それは中国に道理が通じる場合だけだろう。すなわち、我々が敵基地攻撃能力を保有しない場合に、中国も敵基地攻撃能力を保有しないように自制するというのであれば、河野氏の議論は成り立つ。だが、日本が敵基地攻撃能力を持とうが持たまいが、そんなことは関係なく中国は日本にある基地を全滅させられるだけの軍事力をすでに整えている。

それどころか、中国が日本国内で攻撃対象とするのは、自衛隊や米軍の基地だけとは限らない。日本全土が攻撃対象となりうるのである。中国側は「何でもあり」の状態でありながら、日本側には様々に手足を縛る条件を課すのが正しいあり方なのだろうか。しかも軍事バランスはすでに圧倒的に中国の方が優位に立っているのである。

第四に、日本国内に中国への軍事侵攻を「ヤレ!ヤレ!」とはやしたてる人がいるかのような議論をしているところだ。そんな人は現実には存在しないだろう。国防に危機意識を覚えている人は、このままでは中国に飲み込まれてしまうことになると危機感を持っているだけである。こちらから戦争を仕掛けることなど全く考えていない。それなのに、そのように国防に危機感を持つ人間を、あたかも「ヤレ!ヤレ!」と戦争をはやしたてる人間であるかのように危険視するというのは、まさに左翼の発想ではないか。

「日本がやらなければならないのはこのミサイルだけではない」というのは、河野氏の言う通りだろう。だが、中距離ミサイルも当然やらなければならないのであり、中距離ミサイル抜きで中国との軍事バランスを考えることなどできないのである。この現実を河野氏は無視している。

以上のことからしても、河野氏を支持するわけにはいかない。

ところで、この件について岸田氏の回答も実に残念であった。岸田氏は「日本に対して具体的にどんな提案があるのかを聞かないうちから、賛成か反対かを申し上げるのは控えなければならない」と答えたのである。

日米での話し合いでは、アメリカが一方的に提案をし、日本はそれをただ聞くだけなのか。日本から積極的に「こうしたい」「こうすべきだ」という議論はできないのか。そんなわけはないだろう。そういう提案を行う意思のない人間が日本の政界のトップに立つとしたら、それは日本にとって大きな不幸である。岸田氏はこういうところで玉虫色の回答をしてしまう傾向が高い。その結果として世間の信頼を失ってきたことに、岸田氏は未だに気づいていないようだ。

野田氏は「抑止力というと単に軍の話ではなくて、それ以前に外交である」として、中距離ミサイルのことを初めから封殺する議論を展開した。論外であろう。

河野、岸田、野田の3氏に共通するのは、リベラル勢力におもねる中で、もはや軍事バランスで日米の方が中国よりも上回っているという状況が崩れているというリアリティーを欠いているところである。事実を率直に受け止めている点で、高市氏は他の3人とは明らかに違う姿勢を示した。

我々は高市氏支持をさらに広げていこうではないか。

なお、「日曜報道」の動画を下に貼っておいた。ぜひご覧いただきたい。
  
 
 
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