常備軍を持たずに平和を維持してきたとして、沖縄タイムスがコスタリカを絶賛した。
「無防備こそ最大の防御だ」とし、コスタリカは軍事費を医療や教育、環境に充て、国民の幸福度の最大化を図ってきたと、持ち上げている。
その上で、理想を現実にしたコスタリカから多くを学べと結んでいる。
これを書いた沖縄タイムスの石川亮太記者は、コスタリカのことをほとんど知らないのだろうと思われる。
コスタリカが常備軍を廃止したのは1948年のことだが、これはコスタリカ内戦の結果である。
内戦に勝利したフィゲーレスが常備軍を廃止したのは、内戦で戦ったカルデロン前大統領派が国軍を占めていたからにすぎない。
国軍はカルデロン前大統領派だから、これを維持すると自分たちが国軍に脅かされる懸念が大きかったからだ。
実際に隣国のニカラグアがカルデロン前大統領派と結びついて、コスタリカへの軍事干渉を試みる動きも始まっていた。
そこで国軍を即座に廃止する動きに出て、その代わりとして自分の息のかかった人員を予備役として、あるいは公安部隊として組織して、軍事訓練するようにしたのだ。
名前の上では自国の軍隊であっても、他国に利用される可能性が高いから、それを封じるために廃止したにすぎないのだ。
「軍隊はいらない」という、お花畑な抽象的平和主義から廃止したわけではないというところは、しっかりと確認しておきたい。
さて、常備軍を廃止する代わりとしてコスタリカで整備された公安部隊は、建前は武装警察ではあるが、実質的には軍隊と変わらないだけの力を持つ。
コスタリカの公安部隊には、「公安・秩序を守る」「住民の安全を守る」という役割も与えられているが、「国の自主性を守る」という国防の役割も与えられているのだ。
しかもニカラグアの「公安」経費は、389百万ドル(2017年)であり、隣国のニカラグアの軍事費(81百万ドル 2018年)の5倍近くに達し、公安部隊はかなり強力だというのも、忘れるべきではない。(ただし、公安経費には警察予算も含まれているので、全部が公安部隊の経費というわけではない。)
これはコスタリカの経済建設がニカラグアと比べてかなりうまく行っていて、コスタリカの経済規模がニカラグアの4倍、一人当たりGDPでは5倍程度あることとも密接に関係している。
さらにコスタリカはアメリカと同盟関係にあり、米州相互援助条約に加盟している。
コスタリカへの攻撃が仮にあったとすれば、それは米州相互援助条約加盟国全体への攻撃とみなされる集団安全保障体制が機能しているのだ。
コスタリカは空想的平和主義などではないのだ。
確かにコスタリカは平和主義を口にしている。
だが、それは軍事力を利用した対外干渉行動は行わないという意味合いだということを忘れるべきではない。
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