経済

パンデミックで発展途上国で大量失業! 広がる貧困危機!(朝香 豊)


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新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、発展途上国の衣類産業は壊滅的な打撃を被っている。

都市封鎖によって衣料品店は世界的に閉鎖に追い込まれており、アパレルブランドは商品を買い取っても販売できるあてがない。

そのため、縫製工場への発注をどんどんキャンセルしているためだ。

収入の見込みがない中では、すでに生産に入った製品であっても買い取ることはできない。

アメリカのペンシルベニア州立大学がバングラデシュの縫製工場に対して実施したアンケート調査によると、発注をキャンセルしたアパレルブランドのうち、72%が原料費用を補償せず、91%が製品の縫製加工の賃金を支払っていない。

注文をキャンセルし買い取っていないのだから、支払う必要はないし、人道的見地からお金を払えと言われても、手元にそれだけのお金もないということだろう。

失業も広がっている。

バングラデシュの縫製労働者のうち、すでに100万人が一時的解雇、または停職処分を受けた。

この動きは今後さらに拡大していくことになるだろう。

しかもこの事態は、当然ながら、バングラデシュに限られるものではないし、縫製産業に限った話でもない。

発展途上国であるがために、失業しても国家が手厚く保障してくれることは期待できない。

収入が絶たれれば、一家がそのまま生活に困窮することになる。

イギリスのキングス・コレッジ・ロンドンとオーストラリア国立大学の共同研究は、新型コロナウイルスによる経済ショックで、全世界で4億人から6億人が新たに貧困状態に落ち込むと警告した。

国連も極度の貧困状態に陥る子供が4200万~6600万人増えて、4億3000万人〜4億5000万人程度になると試算している。

世界経済が止まることによって、生活が破壊されるためだ。

この結果、新型コロナウイルスに感染せずとも、貧困が原因で命を落としていく人が大量に出現することになる。

こうした悲劇が発展途上国に襲いかかっているということも、私たちは知っておくべきだ。

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