安全保障

世界で繰り広げられるマスク争奪戦! 国産の抜本増強のためには大胆な方針転換を!(朝香 豊)


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トランプ大統領がマスクの生産と供給に関連して、ツイッター上でスリーエム(3M)について、「政府内の多くが同社の行為に大いに驚いていた。高い代償を払うことになる!」と述べて、強く批判した。

ナバロ大統領補佐官が「3Mによる世界での生産のうち、十分な量がアメリカの適切な場所に供給されているかを確かめるうえで、多少の問題があった」と語っていたので、海外で製造されている3M製のマスクの輸入に関する話であることが推測された。

このトランプ大統領による批判を受けた後に、3Mは中国で生産するN95マスクのアメリカへの輸入を増加させるとし、中国で生産するN95マスク1000万枚を米国向けに出荷する許可を中国当局から得たと述べた。

ここから推定できることは、中国政府の圧力に屈して、3Mが中国からアメリカへのN95マスクの輸出制限に同意していたということなのだろう。

トランプ大統領の激しいツイッターによって、この制限処置を変えさせることができたことが窺える。

この話だけを切り取れば、「さすがトランプ大統領!」ということになりそうだが、話はそんなに単純ではない。

この処置によって割りを食ったカナダのトルドー首相は、医療関連用品を含む必需品の流れを阻害することは「間違い」だと述べ、トランプ大統領を批判した。

アメリカがマスクの輸出制限に動けば、カナダは報復措置に出るかとの質問に対し、フリーランド副首相は「カナダの国益を守るために全ての行動を取る」とも答えた。

フランスとドイツも、アメリカが市場価格を大幅に上回る値段で中国でのマスクの購入を進め、既に契約を結んだ欧州の国から契約を奪い取ることもあるとして、アメリカを批判した。

各国とも国民の命と直結する話になるがゆえに、ナショナリズムをむき出しにすることによって、西側の結束が崩れているわけだ。

さて、日本の中国からのマスクの輸入量は週に1000万枚程度で、政府は週に3000万枚程度まで増やしたい方針で中国側と交渉している。

だが、世界各国が世界最大の供給能力を持つ中国製のマスクの激しい争奪戦を繰り広げる中で、日本への輸入量を増やすのは極めて困難であることが予想される。

理想を言えば、国産品の増産を抜本的に強化したいところだが、求められる数量までの道のりは遠い。

シャープがマスク生産を開始したことが大々的に報じられたが、当面は日産15万枚(単純計算で、週7日生産でも105万枚)で、増強しても日産50万枚(単純計算で、週7日生産でも350万枚)にしかならない。

政府によると、今月からマスクの生産量は月産7億枚になるとのことだが、国民が不安を抱かないようにするには、月産20億枚くらいの生産量が必要だろう。

我が国でのマスク不足は継続し、リユースや代替品に頼らなければならない事態が続くことになるのは、覚悟しなければならない。

日本政府はマスク製造の設備増強に関して補助金を出していて、過剰設備となった後もしばらくは在庫の積み増しで購入を続けるとしているが、月産20億枚(年間240億枚)を5年も購入し続けることはできないだろう。

過剰となった設備(あるいは工場全体)について、生産事業者が損失を全く被らない金額での買取は約束できないだろうか。

単に不要施設を国家が買い取るというだけでなく、将来また今回と同じような事態が発生した場合に備えた休眠施設として、国家が保有しておくというイメージだ。

生産の再開が必要となった時に、適切なメンテナンスをしさえすれば問題なく使えるように、設備を温存しておくわけだ。

マスク製造機メーカーの製造能力向上支援も必要だし、支援によって将来生じる過剰能力発生後の対処についても、行政側はしっかりとした方針を打ち出すようにしておきたい。

そこまでの方針を打ち出さないと、マスク不足はなかなか解消せず、国民の不安を取り除くことは難しいだろう。

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