アメリカの大統領再選を目指すトランプ陣営は、名誉を傷つける論説記事をニューヨーク・タイムズが掲載したとして、ニューヨーク州の裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした。
問題の論説は、「トランプーロシア間の真の交換条件」と題したコラムだ。
民主党のヒラリー・クリントン候補に対抗するために、ロシア側がトランプ陣営の選挙運動を支援する見返りとして、トランプ側が親ロシア的な外交政策を提供するという取り決めがあったとした。
トランプ陣営はニューヨーク・タイムズが「トランプ陣営に対する極端な偏見と敵意」のほか、米大統領選へ「不適切に影響を与えようとする熱意」を持っていることを問題視している。
その立場からニューヨーク・タイムズが「誤りであるとともに、読者を誤解させることになると知りつつ、この意見を掲載した」とした。
これに対して、ニューヨーク・タイムズは、「(トランプ陣営が)受け入れられないと判断した意見を持つ執筆者を罰するため、訴訟を起こした」と非難した。
民主党寄りと言われることもあるモラー特別検察官が、膨大な時間と人員をかけても証明できなかったことについて、あったことを前提とした記事を書くのは、倫理に反すると言われても仕方ないだろう。
もちろん、モラー検察官が見つけられなかった決定的な証拠を、ニューヨーク・タイムズがなにか掴んでいるのであれば話は別だ。
だが、そんなものは何も提示されていないわけだから、根拠のない憶測に従いながら、断定的に書いた記事と呼ばれても仕方ないだろう。
そもそもトランプ大統領のロシア疑惑の発端は、「スティール文書」というでっち上げ文書に基づく。
この「スティール文書」というのは、前回の大統領選挙の際に広がった怪文書のことで、実はヒラリー陣営が作らせたものであることがわかっている。(だが、ニューヨーク・タイムズなどの「リベラル」系のマスコミは、この件をきちんと報道していない。)
この文書には、トランプ氏がロシアのホテルに滞在した時に、売春婦を部屋に呼んでおしっこをさせるなどの乱痴気パーティーを行い、その様子をロシア政府に隠しカメラで撮られたのだ、だからトランプ氏はロシア政府の意向に逆らえないのだと書かれている。
トランプ陣営としては、裁判という舞台で、この「スティール文書」の真偽を改めて問題にし、これがヒラリー陣営が作らせたものだという事実認定を争い、こうした事実を知りながら、それを報道しなかったニューヨーク・タイムズなどの「リベラル」系のマスコミのあり方を、積極的に暴く方針なのだろう。
裁判で双方がどういう主張を行ったかは、マスコミはすべて報道しないわけにはいかないことになる。
そうすると、今まで「リベラル」系のマスコミの情報しか触れていなかった人たちからすれば、衝撃の事実が次々と教えられることになる。
そうなると、「どうしてそんな重大なニュースを、前回の選挙の時にマスコミはながしてくれなかったんだろう」との思いに駆られ、「リベラル」系のマスコミの偏向ぶりを思い知らされることになるだろう。
そしてその怒りの矛先は、「リベラル」系のマスコミだけでなく、民主党にも向くことになる。
偏向マスコミと戦う姿勢を鮮明にし、絶対に屈しない姿勢を見せたのは、さすがトランプ大統領だ。
ニューヨーク・タイムズを相手としたこの訴訟によって、民主党と「リベラル」系のマスコミは、壊滅的な打撃を被ることになるはずだ。
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