新型コロナウイルスはやはり人造だったのではないかとの疑いを提出する研究が、オーストラリアで発表された。
この研究の着目点はユニークだ。
新型コロナウイルスは宿主の細胞の表面に発現しているACE2(アンジオテンシン変換酵素2)のレセプターに取り付く形で感染することが知られている。
人間の細胞の場合にはこのACE2のレセプターは肺だけでなく、消化管、腎臓、心臓、血管にも幅広く発現しており、新型コロナウイルスが肺炎以外の病気も引き起こすことはよく知られている。
新型コロナウイルスに感染した人が街中で突然倒れるショッキングな映像が一時期よく出回ったが、あれは心臓の細胞のACE2レセプターに取り付いた新型コロナウイルスが引き起こしたものだ。
オーストラリアのフリンダース大学のペトロフスキー教授は、新型コロナウイルスとACE2レセプターとの結びつきの強度を調べるというユニークな実験の結果として、このウイルスが人為的に改変された疑いが強いことを示した。
ACE2は人間だけでなく、動物にも広く存在している。
もともと新型コロナウイルスはコウモリを宿主としていたものが、何らかの中間宿主を通じて、人間にも感染するように変異したとされる。
そうであれば、もともとの自然宿主であるコウモリや中間宿主となる動物の持つACE2レセプターとの結合性は、人間のACE2レセプターとの結合性よりも高いはずだ。
ペトロフスキー教授は、コンピューターモデルを適用して、新型コロナウイルスと様々な動物のACE2レセプターとの結合しやすさをシミュレーションしてみた。
その結果として、自然宿主とされているコウモリよりも、また中間宿主の可能性が指摘された他のどんな動物よりも、人間の方が新型コロナウイルスに感染しやすいことを突き止めた。
これは自然宿主とされたコウモリのウイルスを人為的に改造して人間に感染しやすいものへと改変したものであるか、偶然中の偶然(remarkable coincidence)によらないと説明できないことになる。
なお、この論文は未だに査読中であり、科学の世界ではまだ確立された見解とはなっていないが、実に興味深い。
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