経済

中国の経済成長率が4%まで下がって大減速? おいおい!(朝香 豊)


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中国の民間のシンクタンク「恒大研究院」が、新型肺炎の蔓延が3〜4月にかけて収束した場合に、2020年の1〜3月期の経済成長率が前の期の6%から4%に大幅に引き下がるとの見通しを発表した。

この危機の中で、この程度の落ち込みが「大幅」なのかというツッコミも入れたいが、そもそもとしてどう考えたらプラス成長するのだろう?

日本のマスコミは、この発表をそのまま正しいものであるかのように、特にコメントも付けずに報道しているが、感覚を疑わざるをえない。

中国の工場は、例年の春節休暇では1週間程度の休みをとっているが、新型肺炎の拡大によって、これが2週間から3週間になろうとしている。

この処置は、この新型肺炎が2月半ば辺りで収束できるという前提のもとで成り立っている話であって、今回のシンクタンクの前提である3〜4月にかけて収束することを前提とすれば、3月末まで工場はほぼ封鎖されることになるだろう。

新型肺炎の恐怖がある中で、密室空間で他の人と一緒に作業するなんてことはできない。

医療用の防護服やマスクの生産でさえ全く間に合っていないのに、工場勤務の労働者に必要な防護服やマスクを着用させることは、絶対に無理だ。

これはこの期間の製造業が壊滅的な被害を受けるということを当然意味する。

仮に2月半ばで収束したとしても、製造業の大幅低下は避けられない。

どうやったら製造業はプラス成長を維持できるのだろうか。

次に消費だ。

春節休暇は、日本の歳末・年明けと同様で、例年膨大な売り上げが発生する。

新型肺炎の蔓延で、今年はこれが完全に吹っ飛んだ。

小売業者は春節休暇用に莫大な仕入れを行なっていたはずだが、これは完全に空振りになり、頭を抱えているはずだ。

しかもその後もショッピングモールやデパートなどの、多くの人が集まる場所に、人がどんどん行くという状況は考えにくい。

人の移動が大きく制限される中では、旅行、宿泊、外食などは壊滅的な打撃だ。

外出もろくにできないのだから、オシャレを楽しむという気にさえならないだろう。

街中のお店は、食料品を提供するスーパーを除いては、軒並み休業状態にならざるをえない。

ネット通販が隆盛すると思っているかもしれないが、それもないだろう。

そもそも、消費財を生産する工場が止まっているし、ネット通販が成立するには、最低でも物流が完全に動いていないといけない。

だが、目下は当然ながら、物流も正常には機能していない。

消費マインドとしても、日常的に必要な最低限のものしか買う気にはならないだろう。

これで国内消費がどうやってプラスになるのだろうか。

そしてこの経済環境で、今後の中国に期待をして、中国に投資をしたら儲かるという発想は経営者の中にあるだろうか。

当然ながら、そんな発想が生まれるわけがない。

輸出はどうであろう。

国内の製造業が止まっていても、輸出で稼げるというのであれば、そこまでの大量在庫が存在しないといけないが、何ヶ月も製造を止めて、従来通りの輸出を維持できるほどの在庫があるわけがない。

輸出の落ち込みは防ぎようがない。

さて、新型肺炎の発症を抑えるためには、人が集まることは避けざるをえず、人々は働きたくても働けないような状態が続いている。

現在中国経済はバブル崩壊が進んでおり、中国の企業はすでに巨大債務に苦しんでいるから、働いてもいない人たちの雇用を維持する余裕などない。

当面を乗り切らせるために、政府は企業に対する貸し出しを増やすように銀行に圧力をかけている。

この政府の要請に銀行も応えざるをえないだろう。

だが、それはすでに崩壊しかけている銀行経営を、一層問題ある状態に追いやることになる。

銀行融資が滞らなくても、企業が今まで以上に債務を膨らませることは、そのまま将来の企業経営を圧迫することになる。

借りれなければその場で倒れるが、借りても将来の見通しが立たないわけだ。

こうした中国企業の株を今こそ購入したいという投資家がどれほどいるのだろうか。

株を売る動きは止めようがなく、株価の大暴落は必至である。

バブルの崩壊を食い止めることはできないであろう。

さらに、株での損失を不動産の売却で補おうとする動きは止めようがない。

中国政府は不動産の売りをさせないようにして価格を維持してきたが、この経済状況では何としてでも売らないとやっていけない人だらけなのだ。

株価の下落や不動産の下落を食い止めるために、中国政府自身が購入することもある程度は可能であるが、売りに出てきたものを全部買い取るというのは、当然できる話ではない。

中国のバブル崩壊は加速はするが、止められるということはないのである。

これでは、目先だけでなくて、長期的に見ても、GDPが増えるという話が出てきようがない、ということになる。

民間のシンクタンクだから、政府から独立した見方を提出してくれるんだろうと思っているとしたら、それでは頭がいかれている。

このレポートは以下のような感じで作られたものであろう。

経済成長率が下がらないと、さすがにみんなに怪しまれるよな。

だから、成長率が大幅に低下した建前にはしなくちゃいけない。

それでも習近平政権にとっては決定的なダメージにはならないことを考慮すると、4%というのが落としどころかな。

5%ではあまりにしらじらしすぎる。

では、どうすればこの4%という架空の数字を作り上げることができるのか、考えよう。

こうやって、無理やりレポートを作っているにすぎないのだ。

ともあれ、4月には、中国は1〜3月期の経済成長率を公式に発表することになる。

この時に世界は、中国の公式統計に対して、これまで以上の違和感を感じることになるだろう。

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これのネタ元のNHKの記事
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200203/k10012270011000.html?utm_int=word_contents_list-items_008&word_result=新型肺炎

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