人権・民主主義

武漢支援の医療スタッフが医学誌に窮状訴える投書!  その後に謎の撤回!(朝香 豊)


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世界的に権威ある医学雑誌のランセットは「読者からの手紙」として、武漢支援の医療スタッフの投書を紹介した。

この投書は、武漢市に派遣された広東省の医療支援スタッフ2人が共同執筆したもので、武漢の医療スタッフの窮状を訴え、それに対する国際支援を求める内容だった。

スタッフの訴えた窮状は、以下のようなものだ。

1)N95マスク、フェイスシールド、ゴーグル、長袖ガウン、手袋などの保護具が深刻な不足に直面している

2)頻繁に手を洗う必要があるため、何人かの同僚の手にはかゆみや痛みを伴う湿疹ができている

3)N95マスクを長時間着用し、何枚も重ねた結果、耳や額に肌荒れができた人もいる

4)体力と防護服の着脱時間を節約するために、隔離病棟に入る2時間前から飲食していない

5)多くの看護師の唇やその周辺に多数の水ぶくれができている

6)看護師の中には低血糖や酸素不足で失神してしまった人もいる

精神的ストレスも極限に達している。

この点については、「私たちは、強い不安、無力感、恐怖を感じます。経験豊富な看護師は、時に同僚を慰めたり、不安を和らげようとしたりします。しかし、熟練看護師でさえ涙を流す時がある。私たちは先の見えない不安に苛まれ、新型ウイルスに感染するリスクがもっとも高いことに恐怖を感じている」と書かれている。

二人は、世界各国に救援を求め、医療関係者のチームを派遣してもらいたいと訴えた。

この投書は中国国内で注目を浴び、一部の中国メディアも中国語に翻訳して転載したが、こうした記事はすぐに削除された。

ランセットは「投書内容は著者が直接目撃したものではなく、投書を取り下げたいとの連絡があった」として、投書そのものの取り下げも決めた。

中国では、新型コロナウイルスに関する政府批判だけでなく、医療スタッフによる窮状を訴える内容のSNSも削除されている。

なお、中国政府は、医療が崩壊している武漢を含めどこの地域であっても、外国からの医療チームの派遣は、今なお要請していない。

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