中国一の不動産ディベロッパーの恒大集団の破綻が近いと噂されているが、その予兆のようなことが起きた。
広発銀行は恒大集団の1億3200万元(22億円)の銀行預金を凍結するように求めていたが、無錫市中級人民法院はこれを認める民事判決を下した。恒大集団が広発銀行から借りている資金の返済ができなくなることを予想して、広発銀行は銀行内にある恒大集団の預金を動かせないようにしたというわけである。
これに不服な恒大集団は、逆に広発銀行を提訴した。広発銀行からのローンの返済期限は2022年3月27日で、まだ半年以上先になる。これを凍結されたのでは恒大集団としてはかなわない、広発銀行はやりすぎだというわけである。
実際、広発銀行と同様の処置を他の銀行もやり始めたら、恒大集団のキャッシュフローは止まることになる。それでは営業ができなくなるとの反発があるのは、ある意味では当然である。
恒大集団をめぐっては他にも怪しい動きがいろいろとある。湖南省邵陽市は恒大集団が預託口座(顧客からの資金を預かるための口座)の扱いが適切でないとして、住宅販売の停止に踏み切ってもいる。ただしこれは後に解除された。
重慶ではこれまで無料で使われていたマンションの駐車場について、恒大集団は住民たちに購入費用を支払うように求めた。駐車場1区画あたり8〜9万元(150万円程度)だが、これが住民の大反発を招いて一騒動になったのは言うまでもない。
株価は7月19日と20日の2日間で2割以上下がり、債券価格は額面1ドルが54セントにまで低下した。恒大集団の債券が売り込まれたことから、同様の投資不適格級の債券も売り込まれて値段を下げている。
恒大集団は同業の金茂集団と万科集団に保有資産の一部の売却をするなどして、負債の圧縮に必死である。今年上半期の契約累計売上高は3,567億9千万元(6兆円)に達した。有利子負債は昨年は最高で8700億元(15兆円)あったのが、現在は5700億元(10兆円)レベルにまで下がったとの発表もある。
それでも経営環境的には厳しい状況に追い込まれている。習近平政権がバブル潰しの象徴として恒大集団を破綻させようという意図を持っているかのような対応を見せているからである。広発銀行や邵陽市当局の動きは、習近平政権が背後で動いている証のように私には感じる。格付け会社のフィッチ・レーティングスや米ムーディーズ・インベスターズ・サービスが6月に相次いで恒大集団の格付けを引き下げているのも、習近平政権の意図が伝わっているからではないかとの憶測をしている。
今後も恒大集団からは目が離せない。
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恒大集団の画像
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