アメリカのキース・クラック国務次官が企業経営者向けに、アメリカ企業がウイグルと関わるサプライチェーンを利用しないように警告する手紙を送っていたことがわかった。
この手紙は、中国共産党を明確に敵認定し、中国共産党の人権侵害に加担するようなことから手を引くようにアメリカ企業に強く求めるものとなっている。
この手紙の概要は以下の通りだ。
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中国は新疆(ウイグル)において大規模な人権侵害を行ってきた。
具体的には、強制的な長期勾留、拷問、不妊手術、性的虐待、強制労働などなどで、これらを通じて民族的少数派にその民族アイデンティティを放棄させ、中国共産党イデオロギーを強制している。
こうしたことを行って、中国は独裁的な監視国家として急速に成長した。
中国とのビジネスについては企業の社会的責任の見地から特に気をつけなければいけない。
新疆を監視するための監視ツールの開発への支援、強制労働が関わっている可能性のあるサプライチェーンへの依存、強制収容施設の建設への支援、強制収容施設の近くに予定される工場施設建設への支援、こうした事業に対する資金提供は、アメリカの法に違反する可能性があり、ビジネス上のリスクもある。
中国共産党が情報を隠蔽しながら、支配領域を拡大し、不当な強制を強いていることは、世界中の人たちが理解している。
中国は新型コロナウイルスの情報隠蔽によってパンデミックを引き起こし、自由の地である香港を自らの完全支配の及ぶ場所へと変貌させ、甘い言葉でアメリカ企業を誘惑しながら、企業進出すると技術移転を強制される。
企業の責任もまた国家安全保障の一部を形成していることを理解すべきだ。
中国共産党は強制労働や人権侵害を隠蔽しながらアメリカ企業を新疆が絡むサプライチェーンに引っ張り込んできた。
中国企業に資金提供をしているアメリカの投資家は、気づかないうちに中国共産党の独裁的機構に資金的な支援をしていることになる。
アメリカの技術は中国共産党に買収されたり盗まれたりして移転され、歴史上の最悪の独裁者でも夢見たことしかないようなディストピア的監視体制を構築した。
こうした状況は絶望的にも見えるが、決してそうではない。
透明性の確立というビジネス原則に立ち返ることで、状況は変化させられる。
サプライチェーンの詳細な分析を行って、自社の購入先や販売先に問題がないかを調査するのは、取締役会の責務である。
透明性により、人権侵害に関わっている企業との関係を断ち切り、こうした企業に資金提供しないのは、道徳的な義務だ。
違反行為を行うことは、道徳的に問題があるだけでなく、法的にもビジネス的にもリスクがあることも理解すべきである。
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日本でも同様の手紙を、例えば経産副大臣の名前で個別企業に送ることはできないだろうか。
その際に、アメリカでは国務次官によって同様の手紙が送られており、アメリカがこの問題を極めて重視していること、アメリカとのビジネスに関わる場合にはこうした点は特に無視できないことなども、併せて記載しておきたい。
さらに、香港の国家安全法が、日本企業のビジネスにも大きな影響を及ぼす可能性が高い点についても触れ、中国切り離しの方向に世界が進んでいることも指摘しておきたい。
こうした文面が作られ、上場企業全てのトップに郵送されるならば、日本の企業経営者の中国観に大きな影響を及ぼすことができるのではないかと思う。
ぜひとも政府には検討してもらいたいものだ。
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画像はWikimedeiaから
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