アメリカ連邦捜査局(FBI)のレイ長官は、中国のスパイ活動がアメリカの情報資源、知的財産、経済活力に対する最大級の長期的な脅威になっていると警告した。
レイ長官は、FBIが抱えている約5000のスパイ捜査のうち、約半数が中国1国によるものであり、中国関連の捜査案件が10時間に1件の割合で新しく発生していることを明らかにした。
ところで、こうした中国の脅威にさらされているのは、アメリカだけだと思うほうがおかしいだろう。
この点で示唆的なのは、カナダの「ノーテル・ネットワークス」が迎えた悲惨な末路だ。
「ノーテル・ネットワークス」は、かつてカナダの株式市場全体の時価総額の1/3近くを占めたことのある通信機器の大企業で、世界的にも大きな影響力を持っていたが、今は会社が消滅してしまった。
カナダの「安全情報局」(CSIS)は1990年代後半から「異常なトラフィック」を認識し、中国のハッカーたちがデータを盗み出していると警告していた。
だが、「ノーテル・ネットワークス」はこうしたハッキングに対して有効な手が打てなかった。
2004年には、ハッカーたちは「ノーテル・ネットワークス」のCEOを含む最上級幹部7人のパスワードを収集して、彼らのアカウントに侵入し、幹部たちの意志で取引先のように見える中国企業(ダミー会社)に情報をどんどんと送っている形にしていた。
ハッキングの手口の洗練さから、国家の関与があるのは間違いないと思われている。
すなわち、中国政府がハッキングを行い、これをファーウェイに流すことで、ファーウェイの「技術革新」を促したのではないかと見られている。
「ノーテル・ネットワークス」が傾いていく中で、ファーウェイは「ノーテル・ネットワークス」で5Gテクノロジーの技術基盤を開発していた技術者20人を引き抜いた。
現在ファーウェイが5Gプラットフォームで中心的な立場にあることには、こうした背景があるとされる。
このことは、「ノーテル・ネットワークス」一社だけの損失ではなく、カナダの国益を大きく毀損し、西側陣営の存立にまで影響を及ぼしている。
日本企業の情報を守ることは、日本の国益にも西側陣営の防衛にも関わる重大事だと理解すべきだろう。
こういう見地から情報の保護について考えていく政策論が必要になる。
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