安倍総理は、日本共産党が破壊活動防止法の調査対象団体となっている理由について、「昭和26年から28年ごろにかけて、党組織や党員が殺人などの暴力主義的破壊活動を行った疑いがあり、現在も暴力革命の方針に変更はないと認識している」と答弁した。
これに対して、共産党や立憲民主党など野党4党は、安倍総理大臣の答弁は事実と異なり、公党に対する侮辱にあたるとして、謝罪と撤回を要求した。
だが、資本主義社会の中で議会制民主主義を前提として、徐々に社会改良を行うことで社会主義に到達していくという社会民主主義の考え方を、日本共産党は強く批判してきたことを忘れるべきではない。
ブルジョワジー(資本家)の権力を否定するには、プロレタリア独裁と呼ばれる労働者階級の権力が必要になり、これによってブルジョワジーの権力を制限することが、社会主義建設のためには必要になるという立場に立ってきた。
この「プロレタリア独裁」とか「労働者階級の権力」という言葉は、現在では「社会主義を目指す権力」という言葉に置き換えられているが、日本共産党が社会民主主義を否定する立場を改めたという歴史はないはずだ。
今なお、マルクス・レーニン主義の政党であり、この立場を堅持していることを誇りにし、社会民主主義を否定する立場を誤りだったと自己批判していない以上、安倍総理の指摘は間違っているとは言えない。
マルクスの唱えたプロレタリア独裁の理論に対して、日本共産党が徹底的な批判をしているという話は聞いたことがない。
謀略的な革命論を展開して政権を奪取したレーニンに対して、日本共産党が徹底的な批判をしているという話も聞いたことがない。
イタリア共産党は社会民主主義政党に脱皮する際に、党名変更を行って「共産党」の看板をおろした。
もし日本共産党が社会民主主義政党に脱皮したのであれば、過去の社会民主主義政党に対する批判をきちんと自己批判し、マルクス・レーニン主義の旗を降ろし、「共産党」という党名を変更しなければならない。
謝罪と撤回を求める前に、こうした手続きはきちんと取るべきではないのか。
これを行わない間は、暴力革命を捨ててはいないと判断されても、仕方ないだろう。
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