英中共同声明によって保証されることになっていた香港の自由と自治を、中国は完全に否定する行動に出た。
これに対応して、アメリカでは上下両院で「香港自治法」が全会一致で通過し、トランプ大統領の署名によって成立した。
「香港自治法」には2段階の制裁がある。
第一段階としては、アメリカの国務省が香港の自由や自治を侵害した個人・団体を特定し、ドル資産の凍結などを行う。
つまり、こういう個人・団体が、銀行などに保有しているドル資産(預金など)を引き出したり、振り込みに利用したりすることができないようにするというものだ。
中国の最高指導部は「チャイナセブン」と呼ばれる7人によって構成されているが、この「チャイナセブン」の一人である韓正副首相も制裁対象になるのではないかと見られている。
というのは、韓正副首相は香港政策を担当する立場にあるからだ。
第二段階としては、こうした個人や団体と取引のある金融機関が制裁対象になる。
但し、制裁対象となる個人や団体が特定されてから1年の猶予が設けられているので、第二段階の制裁が発動されるとして、これはまだまだ先になる。
制裁項目は細かく分ければ8項目あるが、簡単に言えば、こうした金融機関が米ドルを扱うことができなくなるようにするというものだ。
中国の金融機関がドルの取り扱いができないということになれば、こうした金融機関を使うことで輸出入を行っている一般の企業のドル取引も不可能になる。
それだけではなく、中国の一帯一路構想などでも、ドルを使った融資や返済ができなくなる。
例えばパキスタンが中国から一帯一路で借りた資金をドルで返済しようとしても、ドルの送金ができないことになるわけだ。
ドル決済は日々アメリカの監督下で行われるので、パキスタンが中国に送金する場合でも、必ずアメリカのチェックが入った上で送金される形になる。
ただ、中国の4大銀行は、現在そのまま世界の4大銀行ともなっていて、これらの銀行を完全にドル経済圏から外せば、反作用は甚大だ。
仮に中国のドル取引が禁止され、中国との輸出入が事実上止まる状態になるとしたら、その混乱はとてつもなく大きくなるというのは理解できるだろう。
なので、制裁項目を8つに分け、細かく調整ができるようにしているとも言えるわけだ。
こうした制裁で中国に大打撃を与える決断は、トランプ大統領ならば必要を感じれば行えるだろうが、バイデン候補では難しいだろう。
こういう点でも、大統領選挙の行方は大いに気になるところだ。
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ネタ元の日経新聞の記事
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画像はPixabayから(ドル札)
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画像はサウスチャイナ・モーニング・ポストから(星条旗と香港旗)
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画像はFlickrから(トランプとバイデン)
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画像は大紀元時報から(韓正)
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