菅総理が総裁選挙に出馬することが総選挙の敗北に繋がりかねないとの私の懸念について、疑問を呈するコメントをもらった。また、菅おろしを助長するような発言を私が行っていることに対して苦言を呈するようなコメントも頂いた。確かにこのあたりについて私に違和感を感じる人がいるのも、ある意味では当然だと思う。そこでこうしたことについて自分の考えをまとめてみようと考えた。
まず私は菅総理に対して100%評価していないわけではない。教科書における「従軍慰安婦」の記述をやめさせて「慰安婦」に限ったのも1つの成果であるし、日本学術会議問題で従来の慣例を破る対応をしたのも評価できる。
だが、例えば日本学術会議問題の菅総理の対応に対して、我々はスッキリしたものを感じただろうか。私は正直言って感じなかった。学術会議問題で本質的に問われていることを、菅総理が自らの口で説明することをしなかったからだ。
日本学術会議は大学等の研究機関が防衛省の安全保障研究への参加を頑なに否定する姿勢を見せている一方で、学術会議のメンバーが中国の「千人計画」に参加して中国の軍事技術の開発に協力していることについては、何らの問題も提起してこなかった。こういう問題に自浄作用を持っていない学術会議のあり方を前提に、推薦されたメンバーをそのまま承認するというあり方が正しいとは思えないと情報発信するならば、国民の大きな支持を集められたことは間違いない。日本の学術界の歪んだ姿を示すことができれば、日本に来る大量の中国人留学生の問題などに切り込むのも用意になっただろうし、企業の経済安全保障意識の向上にも繋げられたであろう。
長年タブー視されてきた学術会議の問題にメスを入れたことは確かに一つの成果かもしれないが、学術会議の闇の部分を表に出す情報発信までやらなければ、高く評価する気には私はなれないのである。
ここで問われているのは首相としての情報発信力だ。親中の二階氏や公明党に配慮してなのか、そもそもの菅総理の個性なのかはわからないが、いずれにせよこれだけ国際情勢が緊迫化している中で、自ら情報発信ができない総理では国民全体の指揮を執るのは適切ではないだろう。
次に菅総理の総裁選出馬についての懸念である。横浜市長選挙で菅総理が全面的に支援した小此木氏の大敗北は、菅総理がいかに国民の信頼・支持を失っているかを如実に表すものとなった。それゆえに、この結果を受けての菅総理の出馬表明には、私は大いにびっくりした。
ここで菅総理が出馬表明したのはなぜなのだろうか。考えられる理由の1つは、菅総理が今回の結果を全く理解できず、自分に対する国民の支持が失われていることに気がつけなかったというものだ。ただ、私はさすがにこれはないだろうと思っている。
考えられる理由のもう1つは、菅退陣によって影響力を失うことを恐れる二階幹事長による説得である。菅総理が総裁選挙に出馬する場合には、二階派は全面的に支援することを伝えたのは想像に難くない。菅総理誕生の経緯から義理堅い安倍前総理や麻生副総理が菅総理を裏切れないことも伝えて、派閥力学に基づけば総裁選挙で勝算が成り立つことを説得されたのではないかと想像している。そしてその可能性に勝算があると菅総理自身が判断したからこそ、出馬するという選択を選んだのではないだろうか。自分で出たいと思っていなかったとしても、二階氏に頼み込まれては断れない事情がなにかあるのかもしれない。
そして実際二階氏や菅総理の読みどおりに総裁選挙が展開し、菅総理が派閥力学によって再選される事態が生じたとしたら、国民はこの総裁選挙の結果を熱烈に支持することがあるだろうか。総裁選挙をやったところで、旧態依然とした派閥力学による選挙結果を見せられれば、シラけた意識が蔓延するのは間違いない。総裁選挙によって盛り上がるどころか、衆議院議員選挙を前にむしろ巨大なマイナス効果を生む可能性すら高いのである。
自民党内部の派閥均衡力学に基づいて動く限り、総裁選挙を行うかどうかは大した問題ではない。派閥均衡力学を打ち破る形で総裁選挙を行い、その中で明確な情報発信力のある候補を新総裁を選ぶことが重要なのだと思う。
私の菅総理に対する評価についてご理解いただければ幸いである。
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菅総理の画像
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