人権・民主主義

新型コロナウイルスを、反体制派の弾圧に使う中国! (朝香 豊)


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中国の反体制派の弾圧は、新型コロナウイルスが蔓延しても続いている。

というよりも、今回の新型コロナウイルスをめぐる騒動を利用して、さらに強めていると言ったほうがいいのかもしれない。

新型コロナウイルスに罹っているかどうかを、体温を測って計測するという名目で、各家庭に入り込む口実を作り、民主活動家をしょっぴいていくということが、各地で繰り返されている。

中国の人権活動家の許志永氏を例にあげよう。

彼は様々な都市を移動して、そのたびごとに知人宅に身を隠し、当局の足がつく前にまた移動するということを繰り返してきた。

ところが、各地で都市封鎖が行われる中では、許志永氏も身動きが取れなくなった。

許志永氏は広州市に住む人権派弁護士である楊斌氏の自宅に身を隠していたが、新型コロナウイルス対策で検温に来たという名目で、公安警察が扉を開けさせて、内部を確認し、許志永氏が発見されてしまった。

この結果、許志永氏のみならず、許志永氏を匿っていた楊斌氏本人に加え、その妻、その息子も併せて連行された。

中国政府はこのタイミングで各地の人権活動家の自宅を一斉に「検温」を名目にして家宅捜索を行い、一網打尽で拘束しているのだ。

自称市民記者の陳秋実氏も拘束された。

彼は武漢のある葬儀場に潜入し、霊柩車がどれほど出入りするかを確認するとか、武漢市内の病院にでかけて、遺体袋に入れられた遺体が、1台のバンに何体も一緒に詰め込まれている様子を撮影するなどしていた。

道徳心の涵養なども取り込んだ独特の気功で人々の心を掴んだ法輪功も、当局によって弾圧を受けている。

いっときは中国全土で1億人くらいにメンバーが増えたために、中国当局はこの法輪功がまとまることを恐れたのだ。

この法輪功のメンバーも「検温」を理由として警察が自宅にやってきて、拘束される事態が展開している。

新型コロナウイルスに関して中国当局を批判するネタをインターネット上に上げるのは、一旦は規制が緩められた時もあったようだが、再び厳しく強化されているようだ。

穿った見方かもしれないが、一旦規制を緩めたのは、単に反体制派のあぶり出しだったのではとさえ、思いたくなる。

ともかく、この中国共産党の過酷なあり方は、まだまだ続くようだ。

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