道理

キプロスがゴールデン・パスポートを廃止! 中国人に打撃か?(朝香 豊)


人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!

私のメルマガの読者の方であれば、地中海に浮かぶ島国「キプロス」と聞いて、「腐敗」「マネーロンダリング」「タックスヘイブン」などのイメージが浮かぶのではないかと思う。

この「キプロス」には「ゴールデン・パスポート」と呼ばれる悪名高い制度がある。

これは215万ユーロ(約2億5000万円)以上の投資をキプロスで行えば、キプロス国籍を取得することができ、その結果キプロス国籍のパスポートを入手することができるというものだ。

要するに、国籍をカネで買えるようにしているというわけであるが、こういう制度のある国は割と多い。

ただ、キプロスはEUに加盟しているため、キプロス国籍のパスポートを持っていれば、EU内は当然フリーパスでどこにでも行ける。

さらにEUからの来訪者にはビザなしを認めている国が圧倒的であるので、このキプロスのパスポートを入手することができれば、世界中をほぼ自由に動き回ることができる。

つまり、キプロス国籍を取得するということは、EUの市民権を取得するということと同じなわけだ。

国の信用度が低く、ビザなしでの出国が制限されていることの多い中国やロシアなどの人たちは、このためキプロス国籍を求めて動くことが多かった。

ハンター・バイデンのウクライナ疑惑の震源地となっているガス会社の「ブリスマ」の創業者であるズロチェフスキー氏も、この制度でキプロス国籍を取得したことがわかっている。

彼はウクライナ検察の捜査の手が及ばないように、キプロス国籍のパスポートを利用して、現在モナコに住んでいるようだ。

ところで、このキプロスの「ゴールデンパスポート」がEU諸国から激しく叩かれ、ついに11月1日から廃止されることになった。

この経緯が面白い。

カタールの放送局の「アルジャジーラ」が、この件に関する覆面調査報道を行った。

「マネーロンダリングで有罪判決を受けた中国人投資家の代理人」だという建前で、アルジャジーラの記者がキプロス議会のシルリス議長や移民コンサルタント会社の責任者などと面会し、このような人物でも必要額の投資を行えばパスポートを取得できるのかと尋ねる様子を撮影した。

移民コンサルタント会社側は「十分な投資をすれば問題ない」うえ、「新しい名前や身分も得られる」と返答した。

シルリス議長も「彼(中国人投資家)に、政治的、経済的、社会的支援を含め、あらゆるレベルにおいて、キプロスの全面的な支援を受けられると伝えるように」と話した。

要するに、どんな汚い背景を持つヤバい人物であっても、カネさえ落としてくれれば、キプロスは大歓迎だと表明したわけだ。

この様子が番組となって世界中に配信され、当然ながらEUは大反発をした。

この批判の高まりに、キプロス政府も反応せざるをえなくなり、11月1日からこの制度は廃止されることになった。

アルジャジーラによれば、キプロスが2017~19年の3年間に1400通の「ゴールデンパスポート」を発行したが、そのうち500通以上が中国人のものだということだ。

こうした中国人の中には政府の高官も多数含まれていることが確認されている。

さて、これで一件落着となるかというと、どうもそうではないようだ。

キプロス政府はこの「ゴールデンパスポート」制度に代わる新たな国籍取得プログラムをすでに用意するつもりでいる。

「ゴールデンパスポート」よりはまともになるのだろうが、楽観視はできない。

ワルはどこまでもワルなのかもしれない。
 
 
 
無料のメルマガの登録をぜひともお願いしたい。(このブログ記事の下↓に登録フォームあり)

※ 日本再興のために、以下のバナーをポチッとしていただけると助かります。


人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!

ネタ元の大紀元時報の記事
https://www.epochtimes.jp/p/2020/10/63474.html
Greek Reporterからの引用画像(中国人の顔写真を貼ったキプロスのパスポート)
https://greece.greekreporter.com/files/yq-ppte-04112024.jpg
Knewsからの引用画像(EU市民権を得られるキプロスのパスポート)
https://knews.kathimerini.com.cy/assets/modules/wnp/articles/202008/6441/images/b_cyp_passport_story.JPG
ウォール・ストリート・ジャーナルからの引用画像(ブリスマのズロチェフスキー氏)
https://images.wsj.net/im-124325/social
Technodeからの引用画像(中国とロシアの国旗)
https://i2.wp.com/technode.com/wp-content/uploads/2019/10/bigstock-Flags-Of-The-China-And-Russia-307493695.jpg?fit=1600%2C1000&ssl=1
ANNAIの記事からの引用画像( アルジャジーラ)
https://annai.co.jp/sites/default/files/2018-07/PS_AlJazeera_0.png

無料メルマガ

最新情報やプレゼント特典などをメール配信しています!メルマガでのみ公開しているネタあり!今すぐ無料登録しましょう!

ピックアップ記事

  1. サウジへの攻撃はハメネイ師の指示か! 私の見立て (朝香 豊)
  2. 「優生思想で危険」だとNumber編集部に非難の声! いやいや、危険なのはむしろ…
  3. インドで爆発するコロナ感染! 冷淡で信頼を失ったバイデン政権!(朝香 豊)
  4. 最悪! 安倍・習会談、習近平氏の国賓来日の準備を進めることで一致! (朝香 豊)…
  5. もうこれ以上、静かにしてはいられない! 文在寅政権に対して、アメリカは怒りを隠さ…

関連記事

  1. 安全保障

    武漢の海鮮市場起源説はやはりおかしい! 新型コロナウイルス!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!新型…

  2. 人権・民主主義

    ジョージア州でバイデンが逆転だって! ありえない❗(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!ジョ…

  3. 人権・民主主義

    選手のツイッター投稿に激怒! 中国がアーセナルの試合を取りやめる!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!イギ…

  4. 人権・民主主義

    中国がニューヨーク・タイムズなどの記者を追放! 愚かな一手!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!中国…

無料メルマガ

おすすめ記事

アーカイブ

  1. 人権・民主主義

    台湾の国家承認を各国に促す法案をアメリカが準備! (朝香 豊)
  2. 安全保障

    NATO、中国の軍事拡大を注意深く監視へ! 宇宙も作戦領域に入れる! (朝香 豊…
  3. 人権・民主主義

    言論封殺された医師の取材記事を中共当局は圧殺! ネット民は必死の対抗処置!(朝香…
  4. 人権・民主主義

    北京で住居の「強制退去」に反対! 1万人の市民が署名!(朝香 豊)
  5. 道理

    答えたくない議論から逃げる河野太郎氏! 彼を日本のリーダーにするわけにはいかない…
PAGE TOP