中国と国交を結んだ結果として、台湾との正式な国交を断絶している国は多い。
そういう場合でも、大使館が果たすような業務は必要になるため、大使館の代わりになる施設を台湾に設置するのは普通のことだ。
日本の場合には「日本台湾交流協会」がそれにあたる。
オランダにも同様の組織があり、「オランダ貿易・投資弁事処」(The Netherlands Trade and Investment Office)という名前で業務を行ってきた。
名前を見ると、オランダの貿易と投資しか関わっていない感じになっているが、実際には扱っている業務はずっと広い。
そこでオランダは4月28日(オランダ時間では4月27日)に、この「オランダ貿易・投資弁事処」を、「オランダ在台弁事処」(Netherlands Office Taipei)へと名称変更した。
オランダがこの日に名称変更したのは、この日(4月27日)がオランダ国王の誕生日でもあり、印象に残りやすい日であったからだ。
英語表記で”Taiwan”ではなく”Taipei”を使っているところに、オランダの中国への配慮が見て取れるが、従来になかった「台」の字が入ったことに対する中国の怒りは激しかった。
駐オランダ中国大使館は、オランダ側が名称変更を行った4月28日に早速、オランダ外務省に対して、事務所の名前は「中国の核心的利益に関わる」と主張し、オランダに「一つの中国の原則」を厳守するよう求めた。
中国共産党の機関紙「環球時報」は、かつて台湾をオランダが植民地支配していたことに触れながら、オランダ国王の誕生日に名称変更したのは、かつての植民地統治の栄光を誇るもので、台湾を侮辱するものだという、言い掛かりのような主張を掲載した。
「環球時報」はまた、この「挑発的な動き」は「地域の安定性を破壊するもの」で、「(中国人の)反発に直面する」ことになる可能性が高いとし、報復処置として中国企業がオランダへの医療製品の輸出を直ちに停止することを、中国のネット民が呼びかけていると報じた。
加えて、オランダ製品のボイコットやオランダへの旅行計画のとりやめも求めている。
中国外交学院の国際関係研究所の李海東教授も、台湾との関係を強化しようとするオランダの計画は、中国の内政問題への干渉を高め、地域の安定性を激しく破壊するとともに、新型コロナウイルスと戦おうとする国際協力を深刻に傷つけるものであり、中国は医療物資のオランダへの輸出の差し止めを考えることになるかもしれないと、脅した。
オランダは新型コロナウイルスの被害が非常に激しく、人口では中国の1/80しかないが、死者数はすでに中国の公式発表よりも多くなっている。
オランダ側は名称変更に関する動画をアップしていたが、中国の脅しに屈してこれを取り下げた。
オランダは中国の理不尽さを身を以て感じたことだろう。
さて、このニュースは台湾国内では広く報道されているようだが、オランダ国内ではどうだろうか。
ぜひ多くのオランダ国民に知ってもらいたい出来事だ。
もちろん日本人にも、世界中の人にも知ってもらいたい。
※ 日本再興のために、以下のバナーをポチッとしていただけると助かります。
ネタ元の台湾英文新聞の記事
https://www.taiwannews.com.tw/en/news/3925556
ネタ元のダッチレビューの記事
https://dutchreview.com/news/diplomatic-conflict-between-china-and-the-netherlands-over-name-change/
無料メルマガ
最新情報やプレゼント特典などをメール配信しています!メルマガでのみ公開しているネタあり!今すぐ無料登録しましょう!