「GoToイート」キャンペーンの悪用が社会問題化している。
「GoToイート」キャンペーンでは、予約サイト経由で予約してからお店に向かうと、ランチなら1人500円、ディナーなら1人1000円のクーポンがもらえることになっている。
テレビなどでも取り上げられた鳥貴族の場合、全品298円(税込327円)均一という価格設定のために、予約して来店の上1品だけの注文で店を出るとすると、1000円分のポイントをもらいながら支払いは327円ですむので、「客」は差し引きで673円分の「利益」が生じることになる。
一方お店は1人あたり200円の「送客手数料」を予約サイト側に支払わなければならない。
店側は298円の売上げのうち、原材料費を除いた粗利は150円程度であろう。
つまり粗利から送客手数料を引くと、マイナス50円程度になる。
当然これとは別途に従業員の給料、水光熱費などがかかることになる。
店側は予約客のために座席を用意しなければならず、おそらくは予約時間から2時間程度は他の予約を受け付けないようにしているだろう。
どれだけの損失を店側に負わせる結果になっているかを考えると、相当ひどい状況になっている。
そもそも1人あたり200円の「送客手数料」は、利益率の低い通常の飲食店の立場からすれば、明らかに高すぎる。
コロナ禍で予約サイトも店離れが進んで痛手を被ったことは理解できるが、もっと傷みの大きかった飲食店が得るべき収益を吸い上げるような仕組みは適切なものだとはいえない。
飲食店を助けるはずの「GoToイート」が、飲食店を泣かせることになっている。
なぜこのようなことが起こったのか。
それはこの事業をもともと考案した経済産業省と予約サイト企業との関係が深く、その業界の利益を優先させたからである。
飲食店を救うという見地で考えれば、「GoToイート」はもう一つ別の企画である「プレミアム付き食事券」の方を優先すべきであった。
「プレミアム付き食事券」は10000円で食事券を購入すると、12500円分の食事券が手に入るというもので、2500円分のプレミアムが付くという企画だ。一度に20000円(食事券としては25000円分)まで購入できる。スマホとクレジットカードがあれば、すぐに買える。
これであれば、予約サイトに余計な手数料を支払わなくても構わないし、お店側にダイレクトに利益が生まれる。
ところがこちらは「GoToイート」のメインとはなっておらず、認知度の低さもあって、まだ参加店舗数も非常に少ないのが実際だ。
日頃付き合いが深く、天下り先を用意してくれそうな業界に目が行くような役所のあり方が、こうした歪みを生んでいる。
当然こういうあり方は抜本的に変えていくべきだ。
だがこれに対する役所の抵抗はものすごく激しいことになる。
役所は大きな許認可権限を持つことで、業界に対する睨みがきき、これが天下りの背景ともなっている。
こうした役所の権限を取り上げる「規制緩和」に対する抵抗は激しく、「新自由主義」だとして攻撃する向きが強いのだ。
「規制緩和=新自由主義=レントシーキング=強い企業が安易に利益を上げる仕組みの実現」だというものの見方を知っている人は多いだろう。
だが、こうした見方が官公労など左派から作り出されているプロパガンダかもしれないという警戒心を持っている人は非常に少ない。
こういう立場の人はこの見地から安倍政権も菅政権も批判するのだが、このあたりの構図がよく見えない中で不適切な批判を行っているように私には感じる。
業界と所轄官庁との関係を希薄化しないと、正しい政策が実現することは難しいという現実の重みを、真剣に考えてもらいたい。
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nanatabiからの引用画像(GoToイートキャンペーン)
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