広東省での感染拡大などにより、中国経済に対する不透明感が再び高まっている。
6月6日に東莞、湛江などの6都市、7日に広州、佛山などの9都市、8日に恵州、汕尾の2都市、19日には深圳、珠海が感染地域に指定された。中国疾病予防管理センターによると、広東省内では6月21日段階で高リスク地域が1カ所、中リスク地域が12カ所あるとされる。
当局は省内の各都市の入り口に検問所を設置し、必要な人員以外の感染地域への出入りを厳しく禁止する一方で、住民全員を対象とするPCR検査を進めている。
港湾労働者の感染が確認されたことから、深圳市にある塩田国際コンテナターミナルは5月下旬に1週間近く閉鎖された。現在では通常期の7割程度まで作業は回復しているとされるが、再び閉鎖されるのは時間の問題だろう。ちなみに塩田国際コンテナターミナルは世界第3位の取扱量を誇り、ここの機能不全は世界全体の物流にも大きな影響を与える。
深圳空港ではターミナル内のすべての店舗を閉鎖し、1日あたり400便を超える大量のフライトがキャンセルされている。
電力不足も深刻である。オーストラリアからの石炭輸入制限を継続する中、主力の石炭火力発電が十分に機能せず、広東省を中心に週2日〜3日に及ぶ休業要請を受けている企業は多い。4Gの3倍以上の消費電力を必要とする5Gの普及を中国政府が積極的にすすめていることも電力不足に拍車をかけている。事故を起こしている台山原子力発電所の操業さえ未だに停止していない。電力不足は南部から徐々に北部に向かって拡大し、安徽省や山東省にまで広がってきた。夏になって気温が上昇してきたことも関係しているかもしれない。
中国では休業補償の類は原則的にはないため、長引くロックダウンで倒産せざるをえなくなっている事業者もかなり多いと見られる。当然、失業者も増えており、抗議活動なども起こっている。
中国経済についてはなぜか景気のいい話ばかりが日本のマスコミには登場するが、かなり異なる様相を呈しているのが実際ではないかと思う。
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閉鎖された空港の画像
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