2月17日に、グアム沖の公海上で、米海軍の海洋哨戒機が中国の駆逐艦からレーザー照射される事件が起こった。
このレーザーは肉眼では見えないものだったようだが、哨戒機に搭載されていたセンサーがキャッチした。
レーザー照射は艦船や航空機だけでなく、搭乗人員にも深刻なダメージを与えかねず、国際間の取り決めでは禁じられている行為だ。
米軍は中国に対して厳重に抗議した。
3月10日に中国の空軍と海軍は南シナ海で合同軍事演習を行った。
この日はパラセル諸島(西沙諸島)周辺海域に米海軍が「航行の自由作戦」を行っていた日でもある。
中国側は「アメリカは南シナ海で繰り返し力を誇示し、挑発を行い、問題を引き起こしている」とし、「中国の領土である西沙諸島の周辺海域に侵入したアメリカ海軍の軍艦に対して、中国は海軍の航空機と軍艦を差し向け、中国の主権的海域から駆逐した」との声明を発表した。
3月16日の夜に、KJ-500早期警戒機とJ-11戦闘機などからなる中国の空軍が、台湾の南西沖海上で夜間軍事訓練を行い、台湾がこれを阻止するために戦闘機を送り込むという事件も起こった。
3月中旬にアメリカ軍は空母「セオドア・ルーズベルト」を中心とする空母打撃群を投入した、4日間に及ぶ軍事演習を南シナ海上で行い、これに対して中国は電磁パルス攻撃も辞さないと脅した。
電磁パルス攻撃とは、空中で核爆発を起こさせたりすることで、強力な電磁パルスを発生させ、電子機器が正常に作動できないようにするものだ。
米中の対立は、貿易とか5Gとか新型コロナウイルスの起源とかいろいろと起こっているが、軍事的にも大きな緊張が高まっていることは見逃すべきではない。
追い詰められている習近平政権が、危機打開策として、軍事力に訴える可能性もゼロではないはずだ。
新型コロナウイルスに目を取られて、こうした軍事的緊張についてはついつい忘れてしまいがちだが、そういう盲点が突かれる可能性があることも忘れてはならない。
さて、空母「セオドア・ルーズベルト」では、新型コロナウイルスの感染者が拡大し、すでに100名を超える事態になっていて、当面は機能しないと見られている。
こうしてパワーバランスが崩れていることが怖い。
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ネタ元のサウスチャイナ・モーニング・ポストの記事
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