中国の巨大銀行の財務の問題が急浮上している。
世界的影響力の強い金融機関に経営上の問題が発生すると、世界的な金融危機に発展する恐れがある。
こうした金融機関に何らかの問題が生じても、株主や社債の購入者に全額損失を負担させることができれば、税金を投入しないで危機に対応することができる。
もちろん、金融機関に巨額損失に対応する能力がないと、株主らに全額損失を負わせると言っても絵空ごとだ。
そこでそれだけの財務力を身につけていることを求める必要が出てくる。
これをTLAC規制(ティーラック規制 : Total Loss Absorbing Capacity規制)と呼ぶが、このTLAC規制に中国の巨大銀行がことごとく適応できていないのである。
中国の巨大銀行は4つあるので、中国4大銀行と呼ばれているが、この4大銀行がTLAC規制をクリアするためには5.77兆元から6.51兆元(日本円でざっと90兆円から100兆円)の資本不足を2024年までに解消する必要があるとされる。
透明性の低い中国の情報に基づいても巨額の資本不足が発生していることを認めなくてはならなくなっているということは、本当に真面目な検証を行った場合にどれほどの問題になっているかは想像を絶するものがある。
中国は今後の世界経済の最大の撹乱要因になっていると言えるだろう。
なお、中国の金融管理制度はどんどん厳しくなり、やや大きなお金(銀行によっても違うが、数百万円程度以上)を引き出す場合には事前に予約を行い、資金の使い道について申告しなければならない形になっている。
自由な資金の引き出しを抑制させないといけない状況になってきているのである。
中国がどんどん袋小路に追い込まれているのは間違いない。
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ネタ元のロイターの記事
https://www.reuters.com/article/us-china-lender-loss/china-issues-draft-loss-absorbing-capacity-rules-for-systemically-important-banks-idUSKBN26L05H
ハンギョレからの引用画像(中国4大銀行)
https://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2014/1101/141479648658_20141101.jpg
ピクテ投信投資顧問からの引用画像(TLAC規制のイメージ図)
https://www.pictet.co.jp/-/media/Feature/Corporate/Individual/Report/markets/headline/20151117/img01.png?la=ja-JP&hash=5FE05E72101E21F6E04BF82541F010A58F9E9802
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