1月30日になってようやく、WHOは新型コロナウイルスによる肺炎について、緊急事態宣言を出した。
中国に忖度しまくっていたWHOも、ようやく緊急事態だと認めたんだと、普通だったら思うことだろう。
ところがこの非常事態宣言の中身をよく見ると、これは非常事態宣言なのかと思えるほどに、内容がゆるいのである。
非常事態宣言で語られていることは、3点に要約できる。
すなわち、1)WHOは新型肺炎の発生を制御する中国の能力に自信を持っているとし、2)中国への渡航や交易を制限する理由は見当たらないとし、3)しかし医療体制の整備が遅れている国への感染拡大防止を支援しなければならないとした。
つまり、今回の緊急事態宣言については、発生源となった中国には新型肺炎を抑え込める十分な力があるから、中国への渡航制限や物流の規制はいらないとしているのだ。
ただ、世界の中には医療体制の整備が遅れている国もあるから、そういう国に感染者が渡った場合に適切な対応を取るのが難しいから、その場合に配慮して、一応「非常事態宣言」を出すことにしたというわけだ。
実際、WHOのテドロス事務局長は、「中国が疫病の感染予防に対して行っている努力とその措置は前代未聞なほど素晴らしい」、「新しいスタンダードを世界に先んじて打ち出すことに成功している」、「歴史上、ここまで立派にやった例はない」と、中国を大いに持ち上げたのだ。
さらにテドロス事務局長は、習近平主席自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値し、中国人民を守るだけでなく世界人民をも守ろうとするその姿勢に、WHO事務局長として感謝するとまで述べている。
一体どうしたんだと、首をひねりたくなる。
テドロス事務局長は、中国の情報公開が遅れに遅れまくっていること、現在公表している公式データに全く信頼性がないことなど、素人でも簡単にわかることさえスルーしている。
それでここまで中国を一方的に褒め上げるわけだから、中国とテドロス事務局長との親しさは、並のものではないはずだ。
アフリカは中国マネーが大量に投資されているところとしてよく知られているが、このアフリカの中でも特に投資されているのがエチオピアである。
中国がエチオピアを重視しているのは、アフリカの東岸に位置して中国との海上ルートが容易であることに加えて、アフリカ連合の本部が置かれていることで、アフリカ全体に対しての影響力が強いことを考慮していると言われている。
中国投資のおかげでエチオピアは急激な経済成長を続けており、「第二のベトナム」とまで呼ばれている。
2004年以降、経済成長率はほぼ2桁の成長が続いているのである。
それなのに、未だに月給50ドルくらいで十分に雇用ができるので、この人件費の安さはまだまだ魅力的なのだ。
中国は鉄道、道路、工業団地、送電網などエチオピアの数多くのインフラ整備に大きく関わてきた。
中国の投資が増えるにつれ、対外債務も急拡大していて、この債務負担も問題になってきてはいるが、中国は2018年に債務の一部の利払いを免除するなどして、エチオピアに恩義を売ることもしているのだ。
テドロス事務局長は2005年から2012年まではエチオピアの保健大臣を、2012年から2016年までは外務大臣を務め、エチオピアの政権中枢に長らくいて、中国とは極めて密接な関係を培ってきた。
2017年のWHO総会における選挙では、テドロス当選のための根回しを中国が必死に行っている。
その成果もあってか、テドロス氏はWHOの事務局長に選任された。
テドロス事務局長が仮に中国の期待を裏切ったとしたら、彼はエチオピアの国民から大いに恨まれることになるだろう。
中国の報復を計算に入れれば、到底裏切ることなどできないのである。
個人的にも中国とは10年以上の長い付き合いの中で様々な人脈もできている。
その人間関係を裏切ることも、現実的には厳しいのだろう。
今回発令されたWHOの非常事態宣言が、中国との間の渡航や交易を制限しないことを求めるようなザル状態になったことの背景には、こうした政治力学が働いていることを考慮して考えなければならないわけだ。
WHOの緊急事態宣言の中身は、科学的・客観的な知見をベースに出したものだという幻想を、厚生労働省は持っているのかもしれないが、それはナイーブすぎる。
現実のリスクの大きさを明らかに過小評価したものだということを理解した上で、日本国民の命を守るために、中国からの入国を原則として禁止すべきだ。
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これの元ネタとなるYahoo! Newsの記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200124-00160069/
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