2019年にカナダの国立微生物学研究所(NML)の中国出身の科学者が生きているエボラウイルスとヘニパウイルスを中国の武漢ウイルス研究所に持ち出したことが、カナダ議会で問題になっている。
カナダ下院のカナダ・中国関係委員会は、カナダ公衆衛生庁(PHAC)とNMLの責任者を徹底的に追及する姿勢をみせている。PHACとNMLは議会から求められていた武漢ウイルス研究所へのウイルスサンプル輸送に関するすべての情報と文書を、指定期日までに議会に提示しなかった。
武漢ウイルス研究所は、コロナウイルスの機能獲得(gain-of-function、GOF)研究を行っている。このGOF研究と実験は、致死性のウイルスを操作し、その感染性や致死性を高める目的にあると、米国立衛生研究所(NIH)科学政策室は指摘している。GOF研究にエボラウイルスとヘニパウイルスが利用されている可能性は大いに疑わなければならない。
委員会の副委員長を務めるジーニアス下院議員が、こうした情報があることを知っているかをNMLのポリクイン副所長代行に公聴会で質問したところ、ポリクイン副所長代行は「この特定な問題には答えられない」と返答した。また、PHACのスチュワート長官に対して、持ち出しに関わった中国研究員らを解雇した理由を求めたが、長官は「申し上げることができない」として、回答を拒絶した。
ポリクイン副所長代行とスチュワート長官に対する質問は、5月10日の公聴会でも再び行われる予定であるが、両者が回答を拒否していることからすると、パンデミックとなった今回のコロナウイルスの作成に関係している可能性も疑いに入れないわけにはいかない。そうでなかったとしても、安全保障上看過できない問題である。
ジーニアス議員は「この問題を徹底的に追及していく」としている。ぜひこの問題は曖昧にしないでやってもらいたいと思う。
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カナダと中国の画像
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ジーニアス議員の画像
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