台湾労働部(労働省)は、中国が半導体の国内調達網を構築するため、台湾の優秀な半導体エンジニアの引き抜きをこれまで以上に積極的に行っていることなどを強く問題視し、台湾の人材派遣会社が中国から台湾企業の求人情報を出すことを一切禁止することにした。なお適応対象は半導体分野に限定されず、幼稚園事業なども含めた全事業が対象となる。
台湾労働部の人材派遣会社に宛てた通知では、「米中科学技術戦争により中国の半導体開発が打撃を受けている中で、中国は半導体サプライチェーンを構築するのに台湾から技術を盗み、人材をかき集める手段に訴えてきた」「その結果として台湾半導体の経験豊かな技術者が、中国の半導体企業のターゲットにされてきた」との認識が示されている。
ここ数ヶ月にわたっては特に、中国は半導体産業に限らず戦略的に重要な分野での台湾の人材の採用を強化しており、それが台湾の産業の脅威になりかねないとの判断があるようだ。台湾海峡を挟んでの緊張の激化により、台湾の安全保障上の脅威がかつてなく高まっていることも背景としてはあるのだろう。
通達に違反した求人を行った人材派遣会社には5万台湾元(約20万円)から500万台湾元(約2000万円)の罰金を科すとし、求人企業にも10万台湾元(約40万円)から50万台湾元(約200万円)の罰金を科すとしている。IC(集積回路)や半導体など、台湾がリードする分野の重要な求人で違反があった場合には罰則が重くなる仕組みだ。
従来も中国投資を台湾経済部(経済省)によって許された台湾企業しか、中国での求人を台湾国内で行うことは認められてこなかったはずだが、厳密な適応はされてこなかった。
この新たな規制はこうした台湾企業にも適用されるとされており、フォックスコン(鴻海科技集団)のように中国大陸に工場を持つ台湾企業にとっても打撃は大きい。
中国進出企業内部の人事異動の形で、新たな人材を中国に送り込むことは当然可能であり、また台湾企業が中国で設立した企業の名前での求人や、中国企業による求人も許されているようで、完全なデカップリングからはまだまだほど遠いが、それでも台湾は重要な一歩を歩み始めたということは言えるだろう。
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