安全保障

呪われた中国! 三峡ダム崩壊の可能性をまじめに考える!(朝香 豊)


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豪雨が続く中国南部では、豪雨被害がどんどん拡大している。

その中で、三峡ダムが崩壊するのではないかという噂が広がっている。

私はこれまで、さすがに噂を超えることにはならないだろうとその現実性については割と否定的だったのだが、いろいろと情報が集まるうちに、ひょっとしたらありうるかもと思うようになった。

今回はそのことについて書いてみる。

まず、三峡ダムの水位が今なお上昇していることを知っておきたい。

三峡ダムは下流域の被害をもはや考慮する余裕もなく、最大能力で放水を行っているようだが、それでも上流から流れ込んでくる水量の方が多いようだ。

公式報道によると、6月下旬に警戒水位を2メートル上回ったと語っていたが、これが現在では3.5メートルになったという。

だがこの話を頭から信じることなどできない。

この話の通りだと、まだダムの堤防の高さまでは35メートル以上の余裕があることになるからだ。

下流の迷惑を顧みずに全力で放水しているところからすれば、かなり限界の高さまで水位は上がっているはずだ。

三峡ダムの放水で水没被害の激しい武漢の町

中国政府は7月5日からは三峡ダム周辺を封鎖し、近づくことができない状態にした。

全力で放水している状態や水かさが本当はどのくらい増しているのかを知られたくないということではないだろうか。

中国水利省の葉建春次官は、「目下のところ、我々の洪水防止プロジェクトは新中国成立以来最大の洪水を防御できているのだが、洪水がこの防御能力を超えることもあり、“ブラックスワン”的事件が出現しうる」と記者会見で述べたことで注目を浴びた。

「ブラック・スワン」は文字通り訳せば「黒い白鳥」で、白鳥なんてみんな白いに当然決まっていると思っている中で、想定外の黒い白鳥が現れることもあることを念頭に置いた、「想定外の事態」という意味だ。

葉建春次官がここで述べている「ブラック・スワン」が、三峡ダムの決壊を引き起こすような事態を意味するのは容易に想像できるだろう。

日本で発見されたブラック・スワン

では「ブラック・スワン」として具体的にどんなことが考えられるのか。

「想定外の事態」のことを「ブラック・スワン」と呼ぶのだから、「ブラック・スワン」を想定しようというのは論理矛盾なわけだが、恐らく世間的には「ブラック・スワン」として理解されそうな1つの具体例を挙げたい。

それは、1963年に起こったイタリアのバイオントダムの決壊事故に関わる話だ。

決壊前のバイオントダム

このダムの決壊は、単に大雨が降り続いて水かさが増してダムが耐えられなくなったということによって引き起こされたものではない。

山津波と言えるような大規模な地すべりが生じて一気にダム湖に流れ込み、これによってダム湖に津波が発生し、これによってダムが決壊したのである。

降り続く長雨によって、地盤は大いに緩んでいる。

このことによって想定外の大規模地すべりがダム湖周囲で発生することは、架空の話とは言えないだろう。

もちろん、ダムの設計にあたっては、こうした過去の経験を踏まえて建設されているはずだ。

つまり、大規模な地すべりによりダム湖に大規模な津波が発生しても耐えられる設計がなされていたと考えるのが普通だ。

だが、設計通り建設されていたかと言えば、そうではないこともわかっている。

ダム設計と品質検査を担当した銭正英氏と張光斗氏は、工期が短すぎて工事が杜撰になることを、中国共産党トップに意見していた。

セメント注入が早すぎて十分なコンクリート強度が確保できていないこと、鉄筋溶接作業が不完全であったことは、建設中から指摘されていたようだ。

さらにそれより遥かに深刻な問題も指摘されている。

船を通すのに使う閘門部分で、すでに漏水問題が発生しているのだ。

この閘門部分の建設を担当したのが武装警察の関連だったために、異議を唱えられなかったという話も出ている。

画像左側が船を通すための閘門

こうした前提で考えた場合に、山津波と言えるほどの大規模な地すべりが生じた場合に、それによってダム湖に津波が発生し、これによってダムが決壊する事態は大いに考えられるだろう。

地盤が緩みまくったこのタイミングで大きな地震が発生すれば、山津波が起きたとしても不思議ではないだろう。

さて、仮に三峡ダムが決壊するようなことがあれば、その被害は上海にまで及び、被災者は4億人に達し、中国の経済が止まるのは必至だと見られる。

さらに水に加えて大量の土砂が流れ出し、これが従来の流れをせき止めて川の流れを変え、思わぬところまで浸水の被害に遭わせるのも確実だ。

しかも、被害が及ぶのは下流域だけではないかもしれない。

大量の地すべりが生じて川の流れがせき止められれば、はるか1000キロ以上上流の四川盆地まで水浸しになる可能性も指摘されているのだ。

ここまでのことは起きないと思いたいが、最近の中国の呪われ方からすると、こういう事態が発生することもありうるのかもしれないと感じてしまう。

楽観視するのは禁物だろう。

以下に三峡ダムの危険性を指摘した動画も掲載しておいたので、こちらもよかったら見てもらいたい。
 
 

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三峡ダムの危険性について語った動画

ネタ元のJB Pressの記事
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61065
ネタ元のウィキペディアの記事
https://ja.wikipedia.org/wiki/バイオントダム
ネタ元のニューズウィークの記事
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/35m.php
画像はニューズウィークの記事から(三峡ダムの放水と水没被害の著しい武漢)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2017/07/tan170703-thumb-720xauto-115997.jpg
https://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2020/07/reuters__20200710180013-thumb-720xauto-205697.jpg
画像はWikimediaから(ブラック・スワン)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/11/Black_swan_with_angel_wing_in_Japan.jpg
画像は人民網日本語版から(三峡ダム閘門)
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2020-06/20/content_76184798.htm
https://lh3.googleusercontent.com/proxy/f9uAhgKufrFORzBFWFmilq5kU0g7L1LPyDVbpZ3qAkg9Bfqpa9MRwfbXG9fe13ybyI3kXeJqDipxjdDsq-ckhZ-R4pB0YC3TF0WXEXhHeb63gRXr_JbiSTXz4GBfonFzlvmYu2iGgeaboxw

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