今回の関西電力問題の鍵となる元高浜町助役の森山栄治氏については、ウィキペディアに詳細な記載があるが、これは今回の問題を理解するのに大いに役立つ。
注目すべき点は、1971年から2018年まで、47年間福井県客員人権研究員となっているなど、彼は「人権」の専門家として大活躍しているところである。
その上、住民生活、地域福祉に尽力したとして、多くの受賞歴がある。
1973年に自治功労賞、1975年に社会教育功労賞、1976年に地方自治の振興と地域社会の発展功労表彰、1985年に科学技術長官賞、1996年には法務省人権擁護局長感謝状、2003年に瑞宝双光章、2005年に高浜町町政功労者表彰などだ。
関西電力においても、「関西電力人権教育研修講師」として活躍しており、八木誠会長や、岩根茂樹社長も「教え子」だとされている。
こうした人権の専門家として高く評価されている記述と、岩根社長が記者会見で述べた「非常に恫喝をする方」との落差はどこにあるのだろうか。
ここをつなぐ鍵もウィキペディアには記載されている。「同和問題等の人権問題の調査研究に従事した」ことと、「福井県大飯郡高浜町西三松出身」だということだ。
ウィキペディアの「西三松」のところには「1935年、神社祭祀にかかわる差別事件に際して県内外の水平社の支援を受けた糾弾闘争を契機に全水西三松支部が組織された」となっており、「西三松」は「部落解放同盟福井県連合会」の所在地だと記載されている。「高浜町三松センター」は同和対策施設である「隣保館」の扱いになっていることもわかる。
ここから、彼は同和問題と原発利権を結び合わせて、特別な地位を占めるに至ったのではないかと推察できる。
関西電力としては原発のために地元を優先するのは当然のことであり、地元企業を排除するという選択肢はなかったのだろうが、森山氏としては自分たちがやがて排除される日が来るかもしれないことを恐れていたのだろう。
関西電力側に多額の金品を贈っていたのは、自らの利権構造に関西電力側を強引に組み入れさせるための手段のつもりだったのではないかと考えると、つじつまが合う。
なお、昨年森山栄治氏に国税の査察が入ったことが今回の事件の発覚の契機になったが、同和系の人物に国税の査察が入るようになったのは、見逃すべきではないだろう。
日本の地殻変動が静かに進行しているようである。
この記事の元ネタとなるウィキペディアの「森山栄治」氏の記述はhttps://ja.wikipedia.org/wiki/森山栄治_(地方公務員)
ウィキペディアの「西三松」の記述はhttps://ja.wikipedia.org/wiki/西三松
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