菅官房長官は、武漢など湖北省から帰国した人たちの施設滞在期間などの短縮を、日本政府が検討していることを明らかにした。
WHOが潜伏期間は想定より短いという知見を示したからだと言う。
おいおい。
そもそもだが、中国政府の公式見解が全く信頼が置けないことは言うまでもないだろう。
そして、WHOがその中国の強い影響力のもとにあることも公知の事実だ。
中国政府が初期対応を誤り、情報公開に背を向け、これだけの感染の広がりを作り出したにも関わらず、WHOのテドロス事務局長はそれを批判することもせず、逆に「歴史上、ここまで立派にやった例はない」と、中国をベタ褒めしているのだ。
我が国の知見として、10日で足りるというのが間違いないという判断を下すのであれば、それはそれでありだと思う。
だが、中国ベッタリで客観的な信頼性の薄いWHOの言っていることを鵜呑みにして、10日で十分だとして対応を変えるというのは、国民の不安を掻き立てることはあっても、信頼を増すことにはならないであろう。
今回の新型コロナウイルスの危険性をなるべく小さいものにしたいという中国側の思惑に沿うだけの話だ。
世界各国が14日という潜伏期間を前提にして対策を打っている中で、日本が率先して10日に短縮するとした時の政治的影響力を、政府は真面目に考えているのだろうか。
天安門事件があった後に、世界的に厳しくなった対中環境を、天皇陛下の訪中を実現することで融和的に持っていった日本政府の外交と、この話はかぶるところがある。
国民の安全を第一に考えるのではなく、この環境下で弱っている中国のメンツを立てることを、どうしてそんなに優先するのか?
アメリカは、日本がまたアメリカを裏切っていると感じるであろう。
WHOが10日で十分だと言っている中で、余裕を見て14日にするのは、国民感情としては安心が持てる。
だが、世界的には14日だろうと言われている中で、中国政府ベッタリのWHOの知見をそのまま信頼するということには、国民は不安を覚えざるをえない。
どうしてそういう不安を持つ国民感情を敢えて逆なでするようなことを言い出すのだろうか。
本当に信じられない。
これは観測気球の可能性もあるので、ぜひ首相官邸に「短縮反対」の意見を、じゃんじゃんと送ろうではないか。
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
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