安全保障

橋本聖子や山下泰裕の派遣でお茶を濁すようなことをするな! 北京オリンピックでの対応!(朝香 豊)


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日本政府は来年2月の北京冬季五輪に閣僚ら政府高官は派遣しないが、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子参院議員や日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長らに出席させる案を検討していることがわかった。

岸田総理は「いい落とし所だ」なんて思っているようだが、おいおいという話ではないか。

ウイグル、チベット、南モンゴルなどで民族抹殺的な政策が行われていることを容認するのかどうかが問われている時に、政府高官ではない人物であっても政府から派遣するということになれば、それは容認姿勢になるのは理の当然である。

話は中国女子プロテニスの彭帥選手の性的暴行や彼女の軟禁に関わることだけではない。ウイグル・チベット・南モンゴルなどで行われている民族抹殺的な動きや、香港の自由と民主主義を徹底して弾圧した動きにも関わる。さらに言えば、政治犯らの臓器を使った生体臓器移植が行われていることや国民監視技術を輸出することで世界各国の独裁政権を支援する動きなどにも関わる。

中国に対して勇気を奮って「ノー」を突きつけたリトアニアに対して、中国は激しい憎悪を剥き出しにしている。通関手続きにおいてリトアニアを表すコードを削除し、リトアニア製品の輸入ができないようにされ、多国籍企業がリトアニアの部品を組み込んだ製品を中国に輸出することを禁じる動きにまで出ている。こうしたリトアニアいじめに対して、EUも対抗処置を考えるとして中国を牽制することを始めた。

まだこうした動きは大きなものにはなっていないが、今後こうした動きがどんどん強まっていくのは間違いない。2024年パリオリンピックを控えているフランスが外交的ボイコットの表明に関して慎重姿勢を示しているが、フランスにしても周りの国々が次々に表明する中では最終的には追随することになるだろう。

ウイグルの実態などがさらに知られていくようになれば、外交的ボイコットで済ませられるかどうかもわからなくなってくる。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長も自らに向けられる圧力の強さを感じながら、発言の方向性が変わってきた。彭帥選手について、バッハ会長は「抑圧されていると感じなかった」と述べていたのを完全に修正し、「彼女は非常に不安定な状況にある」と述べ、IOCとして支援していく姿勢を示した。

この対応の変化には、アメリカ下院が彭帥選手へのIOCの対応を非難する決議を全会一致で可決したことも影響しているのだろう。

女子テニス協会(WTA)やリトアニアが示した勇気ある動きが少しずつ周りを巻き込んで大きな動きに繋がっていく流れが出来始めている。これが今後の2ヶ月でどんな展開になるのかはまだ読めないが、オミクロン株の急激な感染拡大を理由として北京オリンピックの開催の1年延長まで持ち込めたら、北京からの開催地変更を最終的には獲得できる道が開かれるかもしれない。

北京オリンピックに対してスポンサーとして名を連ねている企業に対して、スポンサーから降りるように圧力が加わる運動が強力に展開されるかもしれない。

恐らくアメリカのバイデン大統領、中国共産党の習近平総書記、IOCのバッハ会長の間では外交的ボイコットでお茶を濁すことで決着させる路線が作られていたのだろうが、現実の動きが彼らの思惑を超えてどんどん広がっていくこともありえる。そしてその点での読み違いが起こり始めているのである。

岸田総理にはこうした流れが今後もどんどん進んでいくことになるのは確実だということを捉えた上で、動きを考えた方がいいのではないか。

西側諸国だけでなく、中国に対して強く出られないアジア諸国にとっても、日本がリーダーシップを発揮することは大いに心強いものとなるはずだ。

むしろ日本としては、中国の切り離しを効果的に進めるために西側が一致結束できる条件を作り、コンセンサスとしてまとめていくべきではないのか。例えば、西側全体で対中制裁関税をかけ、中国が生産拠点として魅力ない場所にするとか、対中輸出額を2021年実績をベースに今後の年度でそれ以上には引き上げないことを取り決めるとか、様々なやり方があるだろう。

橋本聖子氏や山下泰裕氏を派遣すれば、西側にも中国にもメンツが立つなどというみみっちい発想をするのではなく、西側が一致して中国を恐れないで済むようにする方策を考えるというのが正しい発想だと私は考える。

 
 
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/148350
FNNプライムオンラインの記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2cbcbc4b6c1f016a60852b4faefe0aa44440e32
橋本聖子の画像
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/02/17/20210217k0000m050152000p/9.jpg?1

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