中国の2020年のGDPが前年比2.3%成長し、主要国では唯一プラス成長した国になったと、マスコミは持ち上げている。
2028年にはアメリカを抜いてGDPで世界一になりそうだなどといった話も展開されている。
だが、これが全く成り立たない与太話であることは、YouTube番組のWiLL増刊号の方でもすでに解説をしたところだが、この話をWiLL増刊号とは違った角度から取り扱ってみたい。
2020年7月に「テンセント・フィナンシャル・レポート―『新型コロナ』後、8割近い国民の収入が減少、投資財テク傾向は堅調―」という世論調査結果が発表された。この調査によって新型コロナ感染症の蔓延で78%の中国人が収入が減少したとし、29.5%の人が消費を減らして貯蓄すると回答した。
78%の中国人の収入が減少しているのに、本当に経済成長しているのだろうか。
2020年の自動車の販売台数は、前年比7.4%減と大きく落ち込んだ2019年の2070万台をさらに下回り、1929万台(前年比6.8%減)となった。
2020年のスマホの販売台数も、前年比6.0%減と大きく落ち込んだ2019年の3.9億台からさらに落ち込み、3.1億台(前年比20.8%減)となった。
はっきり言って、この状態でGDPが前年比2.3%も成長したということがありうるのか。
実は中国政府は2020年10−12月期には、前年同期比で6.5%の経済成長を遂げたと発表している。ポイントは「前年同期比」というところで、つまりコロナ禍の影響がなかった前年の10−12月期と比べて6.5%も経済成長したと主張しているのである。実は一昨年(2019年)の経済成長率は6.1%だったので、それすらをも上回る経済成長が1年後に実現していたことになる。
どう考えてもありえないだろう。
この点をまた失業者数という観点から見直してみよう。
コロナ禍で大変になった、中国での2020年1−3月期の失業者の増加は、アジア開発銀行は6290万~9520万人、スイスを代表する金融機関のUBSも7000万人〜8000万人とする中、李迅雷・中泰証券研究所所長(当時)も新たな失業者は7000万人を越えているとの推計値を発表し、中国での失業率は20.5%に達したと述べている。
つまりもともと失業率は10%くらいあったところにコロナ禍が襲ってきて、さらに10%ほど失業率が上がったというのが李所長が主張したことだ。
中国ではこの後の2020年4−6月期に、前年同期比3.2%という経済成長を遂げたことになっている。表面的な数字は比較的穏当に見えるが、これまた「前年同期比」であることに気をつけないといけないところだ。細かい計算は抜きに結論だけを述べると、この前年同期比3.2%という経済成長率は、前期比で年率換算60%ほどの超高成長を実現していないと成立しない数字なのである。
ところで、北京大学国家発展研究院の姚洋所長は、この2020年4−6月期の最後にあたる6月末での中国の失業率について、中国全土の6000人の聞き取り調査を行った。この結果として、完全失業と半失業を合わせると、実質的な失業率は20%程度だと指摘した。ちなみに完全失業が15%、半失業が5%である。
李所長と姚所長では推計の仕方が違うとしても、2人の推計した失業率が同じであるというのはどういうことか。片方はコロナ禍の被害が最も激しく出ていた時のものであり、もう一方は年率60%ほどの超高成長を実現した後であるはずの失業率なのである。どう考えても、年率60%ほどの超高成長が大ウソであることは明らかだろう。
中国が経済成長しているなどという話は完全にフェイクである。
間違っても信じてはならない。
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