経済

物価上昇と電力不足への対処を間違える中国 ! サプライチェーンの組み換えが進む予想!(朝香 豊)


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現在中国経済に様々な混乱が生じている。先ごろ発表された4月の生産者物価指数は前年同月比で6.8%上昇し、消費者物価指数も0.9%上昇したと発表された。実際にはもっと激しいインフレになっていると思われる。李克強首相は物価の安定のために、鉄・ステンレス製品の輸出に税金を掛けて制限し、国内向けの供給を増やすなどの経済介入を強めることを表明した。

不思議なのは、銑鉄やくず鉄などの輸入を制限し、電力の供給を減らすような処置も一緒に採用されているところだ。インフレを抑制するには、供給力の強化が欠かせない。国内の調達だけでは供給が賄えないのであれば、むしろ輸入を増やして国内の供給不足を補う方が自然だし、電力供給に制限など加えずに工場の稼働時間を増やして生産力を高めるほうが適切だろう。だが、なぜか真逆の政策が現在中国では進行している。

電力不足は深刻で、例えば、内モンゴル自治区ではA類企業(事務的なオフィス)においては電気の使用量は12%の削減、B類企業(通常の製造業)においては48%の削減、C類企業(製鉄業など)においては60%の削減が求められた。

雲南省でもアルミニウム精錬工場では使用電力量の10%削減、コンクリート製造企業では30%削減が求められている。

広東省の広州市でも、1週間のうち2日は停電することになった。但しその2日間でも電力使用量の落ちる夜11時から朝7時は電気を使ってもいいことになっている。

どうしてこんな混乱した政策が行われているのかについては私にはまだよくわからないが、発電に使う石炭価格が高騰しており、石炭の輸入をケチっているせいだという説がある。現在の石炭価格では発電コストとして逆ザヤになるので、電力会社が発電をしたがらないというわけだ。

そんなバカなと思うような話であるのは重々承知している。昨年12月に起こった電力不足の時もこんな話はあったのだが、社会主義体制であることを利用すれば簡単に解決がつきそうなことが原因だということはないだろうと、私は実は無視していた。電気料金の値上げがしにくいのであれば、発電量に応じた操業補助金を政府が電力会社に渡せば話は済むはずではないか。

だが、このことを習近平が嫌がっているというのは、習近平の発想を考えるとありえる話だとも思うようになった。中央政府が財政を出して救済しなければならないことが山積みの中で、そんなことはできないと、経済オンチな習近平が激しく抵抗しているというのは、可能性としてはありうる。

ことの真偽はよくわからないままだが、電力を制限して輸出を抑制するという、経済政策的には最悪の手を中国が打っていることだけは間違いない。この政策を推進すれば、中国企業は外国からの注文に応じることを制限せざるをえなくなる。中国企業は注文を受けても、それに向けた生産ができないからである。そして受注を断れば断られた外国企業は新たな発注先を中国以外に求めることになるから、中国企業は顧客を失う可能性も高いのである。

これは中国での生産に関して、新たなカントリーリスクが生じていることを意味する。進出企業はフル生産できることを前提に中国に進出したはずなのに、そのあてがはずれることになるからだ。これでは見込んだ利益があげられなくなる。そしてこれは中国での失業問題をさらに深刻化させることにもつながる。

ポスト・コロナに向けて世界経済が動き始めている中では、石炭価格が大きく下落することはないだろう。つまり、この電力不足に起因する中国経済の混乱は長引くことになるのかもしれない。

世界の工場となった中国ではほぼありとあらゆる部品が簡単に揃えられるという大きなメリットがある。これが製造拠点としての中国の圧倒的な強みである。だがそれも製造業がフル操業に近い形で動かせることが前提になるはずだ。

この条件が習近平体制のもとで崩れ始めている。中国に代わる部品供給基地がASEAN諸国やインドに構築されるならば、世界的なサプライチェーンの組み換えが一気に進むことになる。私が「それでも習近平が中国経済を崩壊させる」(WAC)で書いたような流れが進行しているとも言えるだろう。まだお読みでない方には、ぜひ読んでもらいたいと思っている。

さて、麻生副総理は「米ソ冷戦の時は欧州だったフロントラインは、米中の場合はアジア、ジャパンだ」と述べ、中国と対峙する覚悟を日本は持つべきだと述べたことがあった。部品供給基地を中国外に構築するという点で、日本政府の強いリーダーシップが発揮されると面白いことになるのだが、果たして日本政府はどう動くのだろうか。
  
 
 
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中国と対峙する西側のフロントラインは日本! 麻生副総理が菅総理にプレッシャー!(朝香豊)


中国の電力不足の画像(大紀元の画像ですが、記事とは無関係です。)
https://i.ytimg.com/vi/tYl8qzHC-Z8/maxresdefault.jpg

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