人権・民主主義

ジェイコブ・ブレイク事件の核心を見よ! 無視できないマスコミ報道の歪み!(朝香 豊)


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ウィスコンシン州のケノーシャで起きた、黒人のジェイコブ・ブレークに向けて警官が発砲した事件は、なかなか全体像が掴みきれないので、記事として取り上げるのをためらってきた。

Kenoshaの路上に描かれたJacob Blakeの文字

今もなお、全体像が見えていない部分もあるが、まずは自分がわかる範囲で一応客観的に時系列に整理してみた。

ブレークを非難するのに有利な事実も擁護するのに有利な事実もごちゃまぜになっているので、まとまりの悪い文になっているが、これを示した上で自分の考えを述べていく。

———————-

ジェイコブ・ブレークには、第3級の性的暴行、住居不法侵入、家庭内暴力のかどで逮捕状が出ていた。

ブレークの被害者のもとにブレークが現れ、被害者が警察に通報した。(逮捕状の内容からの推測では、この被害者は以前ブレークと一緒に暮らしていて、意に反する性行為を行われ、暴力を振るわれていたのだろうと思う。)

ブレークは以前に被害者の家の鍵を持っていっていて、返してという被害者の求めを無視していた。

通報を受けて、現場に警察が急行した。

目撃者によると、ブレークは6〜7人の女性たちが言い合いをしているところに車を止めたが、女性たちには何も言わなかったという。

ブレークの弁護人はこの女性たちとは別の2人がケンカしていて、その仲裁をブレークがしていた時に、警察がやってきたのだと言っている。

6〜7人の女性たちや別の2人と、被害者やブレークとの関係はわからない。

ともかく、駆けつけた3人の警官のうち2人は、ブレークを逮捕しようとしてティーザー銃(スタンガン)をブレークに当てたりヘッドロックをしたりしてブレークの動きを止めようとしたが、うまくいかずに振り切られてしまった。

ブレークは自分の車の運転席に向かって歩き出し、警官は拳銃を出してブレークに向けた。(目撃者が撮影している動画はここから始まる)

警官はブレークに「ナイフを捨てろ」と叫んでいたが、目撃者はブレークは手に何も武器を持っていなかったように見えたし、暴れている様子もなかったと述べた。

ブレークは運転席のドアを開けて中に乗り込もうとし、警官のうちの一人はブレークのシャツを引っ張ってそれを制止しようとしたがうまくいかず、7発の銃弾をブレークの背後から発射した。

7発のうち、ブレークの体に当たったのは4発であった。

脊髄損傷によって麻痺が生じ、今後歩けなくなる可能性が高いとされている。

内臓にも重大な損傷があり、小腸と結腸は摘出されることとなった。

車の中にはブレークの子どもたちが乗っていたので、精神的ショックが大きいと思われる。

なお、捜索の結果、ブレークの車の床からナイフが見つかっている。(車にもともと置いてあったものなのか、もともとはポケットなどに入っていたものだったのかはわからない。)

車の中から銃は見つかっていない。

———————-

中立的にダラダラと記載したが、この一連の流れの中で、問題の核心はどこにあるのだろうか。

ブレークは逮捕状が出ている犯罪人であり、被害者からの通報を受けて彼を捕まえに警官が向かったが、彼は素直に従わず、最終手段として警官が発砲したということではないだろうか。

「ブレークはケンカの仲裁をしていた」のかもしれないが、それ以前に彼は逮捕状が出ている犯罪人であることを忘れるべきではない。

車の中に銃などを置いていることも多く、車での逃亡も考えられるから、この場面で銃を使って犯人を制止しようとしたことが責められるわけではあるまい。

確かに警官が撃つ直前に彼が暴れていた様子はないし、少なくとも手に武器を持っていた形跡もないが、彼はスタンガンによる制止を振り切って、警官から逃れようとする動きを示していた。

「7発は多すぎる」のかもしれないが、警官はブレークが黒人だから7発も撃ったわけではあるまい。

現場で命を張っている警官たちが抱える恐怖心のことも考えないといけない。

7発撃って4発しか当たっていないことからすれば、心臓には当たらないように外そうとするような配慮はあったものだと思われる。

「子供が目撃したのは可哀相すぎる」だろうが、他にどんな手段があったのか。

こうした一連の事実を見た場合に、この白人警官の発砲がどのような意味で「黒人差別」とつながるのだろうか。

さらに言えば、この事件が起こった後に、事件とは全く無関係の商店が襲われて略奪が行われ、放火騒ぎも発生しているが、こうした行動はこの事件に対する「抗議行動」として認められるのだろうか。

放火されるKenoshaの街

放火によって焼け落ちた車

警官が行使できる実力行動は「暴力」であっても、こうした略奪や放火は「抗議」であって「暴力」ではないという扱いに、歪みはないのだろうか。

どうしてマスコミは、ブレークが逮捕状の出ている犯罪人であることを隠して、ブレークをとてつもない被害者として扱おうとするのか。

こうしたこと全体に隠れている大きな歪みを、我々は直視しないといけないだろう。
 
 

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ネタ元のウィキペディアの記事
https://en.wikipedia.org/wiki/Shooting_of_Jacob_Blake
画像はCNNから(Kenoshaの路上に描かれたJacob Blakeの文字)
https://cdn.cnn.com/cnnnext/dam/assets/200824215927-jacob-blake-video-disparos-policias-blancos-hombre-negro-kenosha-wisconsin-seg-pkg-gabriela-matute-00004615-super-169.jpg
画像はNYPostから(Jacob Blake)
https://nypost.com/wp-content/uploads/sites/2/2020/08/blake.jpg?quality=80&strip=all&w=618&h=410&crop=1
画像はウォール・ストリート・ジャーナルから(Blakeの車)
https://images.wsj.net/im-224752?width=620&size=1.5
画像はNY Daily Newsから(Blakeの銃撃の瞬間)
https://www.nydailynews.com/resizer/Hmlr5ayQBKu3DKK5SUzCApOm5bQ=/415×343/top/cloudfront-us-east-1.images.arcpublishing.com/tronc/NVI3HOBIMFAWLPZZ6ENH45RSNI.jpg
画像はJosh Who Newsから(放火されるKenoshaの街)
https://i0.wp.com/www.joshwho.net/wp-content/uploads/2020/08/julia-jackson-mother-of-jacob-blake-says-she-is-praying-for-police-officers-condemns-rioting-and-looting-in-sons-name.jpg?fit=1024%2C683&ssl=1
画像はCBSから(放火によって焼け落ちた車)
https://newscdn2.weigelbroadcasting.com/EtR2P-1598564751-172925-blog-TW63_KENOSHA%20LOOTING_VO_WDJT8QN4.JPG

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