人権・民主主義

バイデン政権発足! 陰謀論から決別を!(朝香 豊)


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バイデン政権が発足し、バイデンは就任初日に早速パリ協定の復帰などの15件の大統領令に署名した。

ホワイトハウスの執務室で15件の署名を次々と行う姿は動画でも公開された。

トランプ大統領が「選挙結果には全く同意していないし、真実は自分の側にあるが、それでも1月20日には秩序ある政権移譲を行う」と声明を発表したと1月7日に私が伝えた時には、非難轟々であった。

私はトランプ大統領の言っていることを自然体で解釈すれば、私の解釈以外はありえないと思っていたし、民主主義国で国民に軍隊を向けるということには厳格なルールがあり、米軍は歴史的な経緯からこのルールが特に厳しいということも何度か述べてきた。

平和的なバイデン政権への移行という結果からみた時に、トランプ大統領の取るであろう行動を正しく見ていたのは私の方だったということにならないだろうか。

勘違いしてもらいたくないのだが、私は「オレのほうが正しかっただろ!」と言いたいわけではない。

勝ち負けは考えていない。自分が間違っていたと思ったら、私はいつでも見解を変える人間だ。節操がないやつだという人もいるだろうが、これは私のスタイルだ。

大統領がいくら軍の最高司令官であるとしても、法の下にあるのであり、そこを乗り越えた運用はできない。この原則は民主主義国では当然のことだという常識を無視しないでもらいたいのだ。

「反乱法だ!」「戒厳令だ!」「軍事裁判だ!」「秘密逮捕だ!」というところに、希望を託したくなる気持ちは私にもよくわかるから、この感情をバカにする気はない。

それでも、民主主義には「形式」というものが重要になるということも、この一連の騒動から本当に理解してもらいたい。

そうでないと、「民意はオレにある」ということを口実にして、権力者が権力を恣意的に濫用できることになり、それは民主主義を破壊することにつながる危険性を有しているからだ。

そうならないためには厳格な形式が重要になる。

トランプ大統領は暴力では物事は解決しないこと、敵の暴力も味方の暴力も関係なく、すべての暴力に反対するということを、何度も繰り返してきた。

このトランプ大統領の姿勢に共感し、同じ立場で進んでいこうという意識になってもらえないだろうか。

勇ましい陰謀論をトランプ支持者が口にすることによって、「トランプ支持者は反民主主義のテロリスト集団」だとする世論形勢が本当に始まっている。

「我々は陰謀論にはくみしないで、トランプ大統領が求める法と秩序を遵守する姿勢に完全に共鳴する」という姿勢をトランプ支持者が打ち出せるかどうかは、今後の戦いにおいて非常に重要になるのだ。

反乱法の発動はなかったし、ナンシー・ペロシなどの秘密逮捕もなかった。トランプ大統領の無期限大統領宣言もなかったし、人民解放軍の米国境集結もなかった。そして現実にトランプ大統領はホワイトハウスを後にし、バイデンへの政権移行が進んだのである。

これまでの事態の進展は、陰謀論にはまっていた方たちのように進んだのだろうか。

繰り返すが、トランプ大統領は自分たちが使うものを含めて暴力を完全に否定する立場にあり、今後大統領ではない立場から平和的な言論による闘争を行おうとしている。私たちはこのトランプ大統領の姿勢に寄り添い、その立場で団結すべきではないのか。

今なお、トランプ大統領が去った後に本当はバイデン政権ではなく軍事政権が樹立されたのであり、バイデンの就任式などは事前に録画されたものであって、リアルではないのだ、などという説を唱えている人たちがいる。「3月4日に動きがあるのだ」などといった新たな話が出てきて、またそれに引き摺られている人たちが出ている。

どうしても夢を見たいという気持ちもわかるのだが、民主主義が求める形式を否定する立場は、反民主主義者の主張になってしまい、それは遵法精神を大切にしようとするトランプ大統領の立場と相容れなくなるということを、本当に理解してもらいたいのだ。

敵は「トランプ支持者は反民主主義のテロリスト集団」というレッテル貼りをし、それによってトランプ支持者たちの言論を封殺する根拠にしようとして、今動いている。実際にヒラリーはワシントンポストにこういう論旨の論文を掲載している。ハーバード大学でトランプ支持者の排除の運動が始まり、全米に広がる動きになりはじめている。トランプ支持者の飛行機搭乗拒否者リスト入りを求める動きがあり、実際に搭乗拒否された事例も出ているのである。

敵は我々を挑発し、我々を暴力的に駆り立てようとしてくるだろう。過激な言論を引っ張り出そうとするだろう。だが、この罠に引っかかるわけにはいかないというのが、私がとにかく強く訴えたいところだ。

まだ反発から抜けられない人も多いと思うが、我々は今後の戦いに目を移していかなければならないのではないか。

まだまだ伝わらないのだろうが、どうしても言わずはいられないのだ。
 
 
 
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