香港の銅鑼湾書店は、中国共産党政権を批判する「禁書」を扱っていて、中国共産党から大いに睨まれてきた。
この書店の経営者の一人である桂民海氏はスウェーデン国籍を取得していて、スウェーデンの外交官と一緒にいたにも関わらず、2015年に中国の私服警官10名程に取り押さえられ、今なお拘束されている。
国際ペンクラブのスウェーデン支部は、この桂民海氏に「クルト・トゥホルスキー賞」の授与を決めた。
「クルト・トゥホルスキー賞」は、ナチス・ドイツからスウェーデンに逃亡したユダヤ人作家クルト・トゥホルスキーにちなんだ賞で、迫害を受けたり、亡命を余儀なくされた作家を受賞対象としている。
スウェーデンのリンド文化・民主主義相が式典に出席した。
中国はスウェーデン通信に対し、式典出席者は中国では歓迎されなくなると事前に警告していたが、ロベーン首相は「この類の脅しには絶対に屈しない。スウェーデンには自由があり、これがそうだ」と突っぱねた。
これに対して、駐スウェーデン中国大使は、大使館公式サイトに「必ず報復する」と警告を掲載した。
ちなみにスウェーデンでは、中国人観光客3人が予約を間違えて前日の深夜にホテルにやってきて、客室は満員で翌日の昼でないとチェックインできないと説明したことでトラブルになるという事件があった。
3人はロビーのソファーで寝かせてくれと要求したが、ホテル側が拒否し、ホテルを出るよう求め、3人と言い争いになり、警察に通報した。
3人はホテルのロビーで座り込みを行い、警官たちは両手両足を持って、彼らをホテルの外に引きずり出した。
彼らは自分から路上に倒れたり、警察が殴ってもいないのに「警察が我々を殺そうとしている」などと英語で叫ぶなど大騒ぎし、困った警察はホームレスなどが夜を明かすことができる郊外の教会に車で連れて行ったが、この処置も3人は気に入らなかった。
この事件を中国共産党機関紙の環球時報が「予定よりも早くホテルに到着し、昼まで部屋には入れないと言われ、父母は健康がすぐれないためロビーのソファーで休ませてほしいと頼んだが、ホテル側は拒否、暴力的に追い出された」「警察は意識がもうろうとする両親を殴打し、無理やり車に乗せ、ストックホルムから数十キロ離れた荒野の墓地に置き去りにした」と報道した。
在スウェーデン中国大使館も「中国人の命を危険に晒し、基本的人権を侵害した」などとの声明を発表し、スウェーデン側の対応を批判した。
この顛末をやや茶化して番組を制作したスウェーデンのテレビ局に対しても、中国政府は厳しく批判を行い、スウェーデン人から中国は完全にそっぽを向かれた。
こうした反中意識の高まりも、今回の桂民海氏への「クルト・トゥホルスキー賞」の授与につながっているのかもしれない。
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これのネタ元の時事通信の記事https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111600233&g=int
トップ画像はスウェーデンの番組を取り上げたスプートニクの記事から引用https://jp.sputniknews.com/incidents/201809255379755/
https://cdn1.img.jp.sputniknews.com/images/537/97/5379734.jpg
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