世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスによる肺炎について緊急委員会を2日連続で開き、「現時点では時期尚早」として、緊急事態宣言を当面見送ることを決定した。
WHOに対する中国の政治力の強さには以前から指摘があったが、これが今回も発揮された可能性は疑っておくべきだ。
ちなみに台湾はWHOにオブザーバーとしてさえ参加する資格がなく、WHOの持つ情報を直接取る機会が与えられていない。
今回の武漢の新型肺炎の広がりを受けて、台湾の蔡英文総統は人命に直結するこの問題点を改めて指摘、非難している。
ともあれ、これで世界的な蔓延が起こっても、中国はWHOでさえ判断を間違った難しい案件で、中国はそれ以前に厳しい処置を取ったという言い訳ができることになる。
中国が協議1日目の段階で武漢など3都市の閉鎖を行ったのが先になったので、自分は協議2日目にはWHOは緊急事態宣言を行っても中国のメンツは立つのだろうと甘く考えていたのを反省する。
また、政治経済的な重要度としてはあまり高いとは言えないWHOに対して、中国が強い影響力を確保してきたのは、単に台湾に対する嫌がらせなのではなく、まさにこういう事態に対処するためだったのではないかとの疑いを強める結果となった。
なお、現地調査に入った感染症の専門家である、香港大学の管軼氏は、過去に大流行したSARSに比べ、感染拡大の規模は少なくとも10倍となる可能性があると指摘していることを確認した。
武漢に行ったことのない人の間でも発症する例が増えていると、中国政府の衛生当局も認めるようになった。
こういう指摘がある中でのWHOの緊急事態宣言の見送りであることを、強調したい。
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これのネタ元の産経新聞の記事
https://www.sankei.com/world/news/200124/wor2001240005-n1.html
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