中国の国有(正確には青海省の省有)の青海省投資集団が利子の支払い期限に利払いができなかった。
すなわち、デフォルトした。
同社はすでに昨年2月にもデフォルト騒ぎを起こしているが、支払猶予の5日間の間に資金繰りをつけて、なんとか回避していた。
中国では地方政府自身が債券を発行して資金を調達するのは、原則禁止となっている。
そのため、地方政府が別会社を用意し、投資家から資金を集めて不動産投資などを行い、そうした投資で上がった利益から投資家に約束した利払いを行った上で、残りを自分たちのお金として使うということが行われてきた。
青海省投資集団も、青海省が立ち上げた、そういう目的の企業である。
この利回りがかなり高く、中国人の間でもかなり人気があった。
地方政府がバックについていることで、元本も利回りも大丈夫だろうと見ていたわけだ。
ただ、中国の中央政府はこうしたあり方に対する危機感を以前から持っていた。
こうした企業が集めたお金は中国全土で少なくとも30兆元(500兆円ほど)あるとされ、不動産開発の行き詰まりから、返済できない事態が発生するのは必然だとわかっていたからだ。
すでに2015年には中国の国務院(内閣)は、こうした会社の発行する債券について、単なる「社債とみなす」との方針を打ち出した。
要するに、返済に対する政府保証をしないと断言したのだ。
といいつつ、国家開発銀行がこそっと長期融資という助け舟を一部には出すそぶりも見せていた。
だが、もう助けていくのは難しいと、中央政府も悟ったのだろう。
国有企業のデフォルトであっても、放置してもやむをえないという方向に、明らかにかじを切ったのだ。
中国国内でも有数の国有企業とみなされていた天津物産集団のデフォルトさえ、中央政府は昨年11月に黙認したくらいだ。
今回のデフォルトは、元本3億ドルの元本から見たら甚だ少額な960万ドルの利払いさえできなかったという事態だ。
青海省投資集団は、この3億ドルに加えて、別にさらに5.5億ドルの社債を発行している。
つまり合計8.5億ドルの社債残高を抱えているわけだが、960万ドルの利払いができない以上、8.5億ドルの元本の返済見込みはまったくないということになる。
さらにこのデフォルトはドル建て債のものであるので、購入しているのは主として中国国外の機関投資家だ。
つまり日本の金融機関なども影響を受ける可能性が高い。
そういう点では、我々も笑っていられないのだ。
青海省が例外的であるならば、中国政府も救済に走ったことだろう。
実際には中国全土がそのような状態になっていて、とてもではないが政府が救うことができないとさじを投げたものだと理解したほうがいい。
中国は不動産バブルの崩壊を防ぐために、様々な手段を講じてきたが、こうした手法の限界がはっきりするのが2020年ということになるだろう。
2020年はこうした中国経済の崩壊が次々と襲っていく一年になるのは間違いないと断言する。
ゆめゆめ中国経済に幻想を持たないようにしてもらいたい。
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これの元ネタとなる大紀元時報の記事
https://www.epochtimes.jp/p/2020/01/50741.html
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