横浜に停泊したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に関して、連日大量の感染者が次々と明らかにされる中で、日本の検疫のあり方に問題があったのではないかとの疑惑が大々的に報じられてきた。
ニューヨーク・タイムズは「『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」だと酷評した。
さらに、神戸大学の岩田健太郎教授は、船内ではグリーンゾーンとレッドゾーンの区分けが十分に行われておらず、それによって異常な感染の広がりを生んでしまったのだと主張し、それによってさらに疑念が噴出した。
ところが、国立感染症研究所が発表した「現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例」とのレポートからは、全く別の姿が浮かび上がった。
実は日本の対応は極めて適切で、日本の検疫が入ってからは、乗客の感染はほぼ防止されていたことが明らかになったのだ。(乗員についてはそうはなっていないが。)
レポートによると、2月18日段階で発症日が確認できた症例(184人)のうち、2月6日より前に発症した人が33名で、2月6日以降に発症した人が151名であった。
2月6日以降の発症者のうち、最も多い発症日は2月7日で、その後は発症者が少なくなっていっている。
これは感染者の大半が2月5日から始まる日本の検疫の開始前に罹患していて、潜伏期間を経て徐々に症状を呈するようになったと考えると辻褄が合う。
2月15日にはついに乗客の新規の発症者はゼロになっている。
2月5日までに感染していた人がその後バラバラな潜伏期間を経た後にどんどんと症状を呈するようになったが、2月14日に発症した1名を最後に、発症者がいなくなったと考えられるのだ。
ただし、クルーズ船の船内隔離については、同じ部屋に家族などが複数人いる場合があり、家族間では2月5日以降に感染を移した例もあるようだ。
こうした例があったのはやむをえなかっただろう。
乗員に関しては、その居住環境に配慮して、早期に入れ替えるべきだったとは言える。
入れ替えを行わなかったことが、検疫開始後の乗員の感染を引き起こしたというのは反省点になる。
だが、少なくとも乗客に関しては、日本の対応は極めて適切であることが判明したと言える。
空調を通じての空気感染についても、このデータを見る限りは否定されたと言ってよいかと思う。
悪質な日本を叩きを行ったニューヨーク・タイムズには、こうした事実の提示を行うとともに、日本政府はきちんと記事の取り消しと謝罪を申し入れるべきだ。
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ネタ元となったは国立感染症研究所のレポート
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9410-covid-dp-01.html
画像も同上
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/2019-nCoV/COVID-DP-Fig1.png
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