新型コロナウイルスに関して、中国共産党内部で様々なほころびが生まれている。
26日に湖北省と武漢市政府が合同で記者会見を行った。
この記者会見では、湖北省の省長が「医療用の防護服やマスクなど、防御物資が特に足らなくて困っている」と述べたのに対して、武漢市の市長は「湖北省は防御物資に関する生産が素晴らしく、その問題は解決している」と発言した。
湖北省と武漢市では、なぜか言っていることが間逆なのだ。
合同で記者会見を行うわけだし、これだけ大きな問題になった上でのことであるから、それぞれどういう話をするのかのすり合わせなどを事前に行うのが普通だと思われるのに、そんなこともやってなかったことが露呈した。
記者会見が終わった後に、武漢市の市長は「武漢がすぐに情報を発信できなかったのは、上層部が私に発表する権限を与えてくれなかったからだ」と発言し、中央政府に責任を押し付ける姿勢を見せた。
その上で、「さっきの俺の回答、良かったでしょ?80点は取れたかな?」と発言し、中国の国民の怒りの火に油を注いだ。
他にも問題発言がいろいろあったのだが、こうした武漢市長の姿勢には、当然のように猛烈なバッシングが巻き起こった。
さらに武漢市長は1月19日(18日との情報もある)に、「万家宴」という4万世帯が参加する大宴会を開いていた。
コロナウイルスの感染者が混じっている可能性が極めて高い宴会を、こんなタイミングで開いていたわけだ。
まさに、参加者を不用意に危険にさらさせる行為である。
「なんでこの時期に?」と思うだろうが、中国ウォッチャーの遠藤誉氏はこれを「何も起きていません。問題は解決しています」という、共産党の上層部に対する偽装工作だとしている。
こうしたことに対する怒りがネット上では炸裂しているが、こうした罵倒の嵐を中央政府は削除せずに放置している。
習近平政権からすれば、責任転嫁してきた武漢市長に面白くないものを感じているのだろう。
こうした権力内部でのほころびが体制崩壊の足がかりになることは、大いに起こりうる。
感染源としては武漢市の海鮮市場だとされていたのが、それを一部否定するような情報が中国国内でも流れた。
この危機的な状況を前に、本来一枚岩になるべき権力側に様々なひび割れが生まれているというのは、中国の共産党体制の崩壊の序幕なのかもしれない。
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これの元ネタとなるニューズウィークの記事
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/post-92254_1.php
画像はAFPBBの記事から
https://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/e/5/-/img_e5af7c8c2b8598b7af81f76440e21a8c161523.jpg
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