新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与える影響が大きくなったことを受けて、日銀は18〜19日に予定していた金融政策決定会合を16日正午に早め、大型の金融緩和政策を発表した。
具体的には以下の4つが柱となっている。
1)上場投資信託の購入目標を、年間6兆円から12兆円に引き上げた。要するに、上場企業の株式の年間購入額を大幅に引き上げることで、株価の下落に歯止めをかける姿勢を示した。
2)不動産投資信託の購入目標も、年900億円から1800億円に倍増させた。
3)大企業が資金調達のために発行しているCP(コマーシャルペーパー)と社債についても、それぞれ1兆円ずつ買い入れ枠を増額させた。
4)市中の金融機関が中小企業に対して9月末までゼロ金利で貸し付ける制度も新設した。
株価対策、地価対策、大企業の資金繰り対策、中小企業の資金繰り対策が一通り出そろった形になっている。
ただ、中小企業に対する支援は、もう少し踏み込んでもらいたかった。
新型コロナウイルスへの懸念から、人々の消費行動が大きく変わってしまった。
外出しなくても買い物ができるネット通販が伸び、その分実店舗の売上が大幅に落ちているわけだ。
スポーツジムなど、営業の自粛を余儀なくされているところも多いし、飲み屋で打ち上げをするなんてことも、当面は考えられない。
売上がゼロになったとか、半減したとかという事業体からすれば、当面はゼロ金利だと言われても、借りた段階から返済資金を毎月用意するというのは、なかなかつらい話だ。
そもそも、現状でも借入金利は1%程度のところが多く、半年程度ゼロ金利になるくらいでは、大したメリットは感じにくいだろう。
借り入れから3年間はゼロ金利で、その間は元本の返済も猶予するくらいの処置が考えられてもよかったのではないだろうか。
ここまで来ると日銀だけで決められる話ではなく、金融機関への3年間の利子補給を含め、政府の関与が大きいことになるが、この日銀の打ち出した方針をさらに強化する政策を、政府にはぜひとも考えてもらいたい。
安倍総理は「今までの発想にとらわれない対応を検討」と言っていて、思い切った減税などに踏み込んでいくのだろうと思う。
それはそれでもちろん評価できるのだが、私としては、このコロナウイルスの感染拡大を奇貨として、さらに日本経済の大改造に着手してもらいたいと思っている。
端的に言えば、中国を中心としたサプライチェーンを切り崩し、日本中心のサプライチェーンがどうやれば再構築できるかを考えてもらいたいわけだ。
例えば、新規に国内投資を行う場合には、中国からの撤退費用を賄えるくらいの巨額補助を行うといったことが考えられるだろう。
在宅勤務などのデジタル経済化が推進され、経済の効率性が高まっていく方向性が見えてきた。
経済の効率性が高まれば、余った労働力が出現することが期待でき、日本中心のサプライチェーン作りを行うことでその受け皿にしていくという戦略だ。
目先の新型コロナウイルス感染拡大の弥縫策ではなく、日本人に夢をもたせ、日本を大きく変貌させる壮大なビジョンを、総理にはどうか積極的に打ち出してもらいたいと願っている。
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